一回性の奇跡

事の発端は私がNoism15周年記念公演『Mirroring Memoriesーそれは尊き光のごとく』新作『Fratres Ⅰ』の自分が購入したチケットの日時を新潟公演とすっかり取り違えていたことから始まります。 noism.jp 7/26のめぐろパーシモンホール公演を7/19と勘違いして…

ポリフォニックな肉体/Spark/拓ける

Noism1の実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』吉祥寺シアターでの東京公演2019年2.21(木)19:30の回観に行ってきました。この公演知った時は吉祥寺シアターと同じブロックの辺りに習い事で通っていて徒歩圏内だったのに、まさか引っ越して片道2時間近…

原城の幻影/ふたりのみっちん

新作能「沖宮」(https://www.okinomiya.jp/)11/18東京公演を観てきました。元々はそういう予定ではなかったはずですが、石牟礼道子追悼公演となっており、私がこの企画を知った時はまだ存命中だったのですけど、後からパンフレットを読み返すと、これは思…

わたし(たち)がジュリエット(たち)だったころ

いつもより一際強い緊張感と共に9月14日にNoism1×SPAC 劇的舞踊vol.4『ROMEO&JULIETS』埼玉公演(http://noism.jp/npe/n1_spac_romeo_juliets_saitama/)行ってまいりました。この曲は人生で一番聴いたクラシック音楽というか、人生で一番聴いて演奏した音…

はかなくて過ぎにし方を思ふにも

私がNoismや金森穣を追い続けている一つの理由はモーリス・ベジャールです。TV放送でたまたま初めて見かけた時に、その作品を作った人が教え子だとは知らなかったのですがベジャールを思い出しました。気になって調べたらルードラ出身者とわかり納得しました…

ひとひらの誓い

「四月十五日 石牟礼道子さんを送る」(http://www.minamata-f.com/evt_180415.html)に、当日急遽、石牟礼さんと同学年の祖母に付き添う用事が飛んだので、急いで桜の花びら一枚を拾いあげて捧げるため馳せ参じました。ちょうど図書館で「花びら供養」を借…

冤罪

平昌五輪が終わった直後にテレビが壊れた。意識高い系の人ならそのままテレビを卒業して丁寧な暮らしをするのでしょうが、私は残念なので、意識高い系の人が日本に税金払ってないからと使わないAmazonで聞いたことのないようなメーカーの安いテレビを即座に…

stand up for myself

記録的な大雪の後の東京周辺の家々の前には、道産子でも見たことがないほどたくさんの雪だるまが作られていて、ミームってこういうこと?など思いつつ横浜美術館の石内都個展「肌理と写真」(http://yokohama.art.museum/special/2017/ishiuchimiyako/)観て…

巡礼の年

今年は1月にハイライトを迎えてしまいました。年の瀬に振り返ってみてもやはりあれを超えることはなかった。ということで「沈黙」に導かれた1年の道を改めて書き起こしてみます。 1月:元日に引いたおみくじが大吉だ。近所のプロテスタント教会で『沈黙サイ…

忽然

10日ほど前、24時間テレビのランナーが誰だとか騒いでいた頃、「あれ?今年の小金井薪能は明日なんだ」と気づきました。5年ほど前から毎年気にはなっていたけども夏の屋外は私には過酷すぎると見送っていたのですが、今年の天気は曇り、最高気温は27度という…

金色喜女

Noism1『Liebestod−愛の死』レパートリー『Painted Desert』埼玉公演初日に行ってきました。 http://noism.jp/npe/n1_liebestod_pd_saitama/ 私は特に日程の都合に問題がない時は初日のチケットを取るようにしています。 以前、たまたま初日のチケットしか取…

外海で会った方が明日4/5の「探検バクモン」に出るみたいです。お会いした時にこれから枯松神社取材に来る人案内するんだよ、この前は爆笑問題が来たよ、とおっしゃってたのですが、やっぱりこの番組でした。 http://www4.nhk.or.jp/bakumon/x/2017-04-05/21…

男性解放宣言

先月今月と私にしては動き回ってまして、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『カーネーション−NELKEN』3/16埼玉公演を観に行きました。 創作当時や日本初演当時に立ち会った人々が受けた衝撃というのはある程度は想像できても、きっと言い当てることはできま…

長崎沈黙聖地巡礼記

3/2-4の二泊三日で長崎市と五島列島『沈黙』聖地巡礼の旅に出ました。スコセッシ版の映画公開後に東京から巡礼した人の記事をまだ見かけないので、どなたかの参考になればと思い、ここに記しておきます。 必読携帯書は『遠藤周作と歩く「長崎巡礼」 (とんぼ…

子供達を責めないで

Noism1近代童話劇シリーズvol.2『マッチ売りの話』+『passacaglia』埼玉公演を2/9(木)に観ました。観たんです、が、このままだとNoismは空中分解するんではないか、という思いが心に広がるような時間になっていましました。 こんな時代の空気を感じている…

神様を信じる強さを僕に

マーティン・スコセッシ監督作品の「沈黙 -サイレンス-」、公開3日目1/23月曜日にまず観に行きました。 私が映画を一人で公開週に観に行くなんて初めてではないだろうか。でもやっぱり少し外れた場所のレイトショーだと公開3日目なのにほとんど人いなかった…

好奇心は私を生かす

2016年は発達障害を始めとした医療中心に生きようと思ったら思った以上に医療に振り回されていましたので、医療の記録のみ書き出します。というか、本当に他に何もしてない。ここにこのエントリ以外に書き留めてあることで医療以外にやったことは夏の選挙と…

愛と落伍と精霊の御名によりて

9月になってやっと少し体調が上向きになってきたので、今更ですが8/20に観に行ったNoism0『愛と精霊の家』埼玉公演の感想をまとめます。 その頃の私は、原因不明の体調不良で病院をたらい回しにされている最中で、果たして会場までたどり着けるのかが一つの…

脱ぎ捨てられないシニフィアン・見捨てられたシニフィエ-祖父の連れて行かれた国-

もう半月以上前の話になってしまいますが、熱を出しつつNoism劇的舞踊vol.3『ラ・バヤデール−幻の国』7/1KAAT公演に足を運びました。 http://labayadere.noism.jp/その日までしばらく「どういうことか説明してください」とストレスで熱を出しながら下々の世…

Je suis persécuteur

ボストンワールドには行けないけれど、せめてもの予習を兼ねて、ほぼ飛び込みのような形で平山素子「Hybrid -Rhythm & Dance」3月25日公演チケット取って駆け込みました、と思ったら今回は平山素子の指導受けてる村上佳菜子選手は代表入りしてなかった…あ、…

個人的鑑賞

Noism1×Noism2合同公演 劇的舞踊『カルメン』再演、KAAT初日に観に行ってきました。 http://noism.jp/carmen2016/ 今回の再演で一番気になっていたのは、ミカエラが初演キャストではなくなってしまうことでした。 井関佐和子のカルメンが素晴らしかったのは…

羊と私

年末年始バタバタしており、2015年がどんな年だったのかまとめる余裕もなかったので、せめて旧暦の年が明ける前にまとめようと思ってズルズルここまで来たけどそろそろ2015年の手帳のリフィルから2016年のものへと入れ替えなければならなくなってきたので今…

ボレロの先へ、ダンスの先へ

シルヴィ・ギエム引退公演『Life in Progress』の余韻から抜け出せなくなっていたらもう一週間経っていた。ギエムという類稀なる肉体言語がもうすぐ消えてしまう、と気を抜くと泣きそうになってたらフィギュアスケートの全日本選手権が始まってしまうので、…

死んだ国の味 生きた国の味

この前「紅天女」を観に行ったんです、別に『ガラスの仮面』読者でもないのに。梅若玄祥師と福王和幸師がシテとワキで共演する作品ないかな、と探していたら、たまたま見つけたのが「紅天女」だったというだけで。なんでも良かったんだけど、私が能の公演を…

20歳、青森の夏。25歳、広州の夏。

8月の初旬に青森の祖父母のところへ行ってきました。東京から青森の奥地の祖父母の家まで3時間ちょっとで行けて、新幹線の威力を思い知ったのと同時に、幼稚園児の頃だったらまだ青函連絡船で津軽海峡渡って揺られて酔ってる最中で、吐き気を催して紙袋持ち…

Les enfants du Paradis/戦争と一人の少女

Noism1の近代童話劇vol.1『箱入り娘』をなんとなく真ん中らへんの日がいいかな、と思って水曜日のKAAT公演で観ました。 私、舞台装置で本が置いてあるとしげしげと見てしまって、『カルメン』の時は学者の机の周りに古い洋書が並べられてるのを、そこに役者…

新緑の光線

昨日の夜、会うたびに山下清度を増している画家の友人が自転車で通りかかったと近所にいきなり来たので、ベンチに座って話し込んでいたところ、そういえば私、高野文子の原画を観に「【企画展】漫画『ドミトリーともきんす』の住人 牧野富太郎」まで行ったこ…

Smells like 90's spirit

ローザスの『ドラミング』観に行ったのいつだ……?アフタートークがあった日だから4/17かな……?拍手しすぎて腱鞘炎こじらせて、なかなかタイピングも難しかったので、今更ながらまとめておきます。 スティーヴ・ライヒ音源を使ったコンテンポラリーダンスをそ…

さよなら渋谷

花散らしの雨が降ってやっと人心地がついてきたので、3月28日の観世能楽堂さよなら公演のことを振り返ってみます。 私がその場所のことを知ったのは、当時90年代の渋谷系が元気だった頃、松濤エリアに迷い込んで仕方がないから散策していた大学生の時でした…

祈り、光。生きるということ(続きを少しだけ)

(id:marginalism:20150305:1425506745の続きです) 岡崎京子展から受けた情報があまりにも膨大で処理しきれないまま過ごしていましたが、その一週間後にいつか本物を拝見したいと思っていた志村ふくみ先生の着物展示・販売会「しむらのいろ 〜山川色衣 草木…