歌は世につれ世は歌につれ

くるりのベスト盤が出る(http://www.bounce.com/news/daily.php/8056)と知って、ほとんどのCDを諸事情によって失った私は、あの曲とあの曲とあの曲、いや、あれさえ入ってれば買おうと思ってたのですが、きょうレコ屋の前通って収録曲チェックしたらあれさえ入ってればの「あれ」こと「ハローグッバイ」が収録されるらしいので買うことにしました。
私はこの曲がくるりの曲のなかで一番好きで、シングルのカップリングにしか入ってないという割とレア目の曲なんだけど、初めて聴いた時に、下北沢駅井の頭線下りホームのベンチに座って一人で始発を待っていた時のような気分になって、それはどういう気分かというとステファン・ランビエールエキシビションで「You're beautiful」を滑っているのを見ている気分に近いんですけど、実際には「下北沢駅井の頭線下りホームのベンチに座って一人で始発を待っていた」事なんて私にはないのですけど、「ハローグッバイ」にはこのシチュエーションでの切なく甘酸っぱい思い出を捏造させる力があるのです。

フリッパーズ・ギターの「青春はいちどだけ」を聴くと、高校時代に部活の遠征でバスに揺られながら噴火湾を車窓から眺めていた時の気持ちを思い出したり、小沢健二の「Eclectic」を聴くと仕事で通ってた筑波大から東京駅までの道のりとバスの中を思い出したりしますが、この二つは実体験であるのに対し、「ハローグッバイ」は実体験じゃないのにあたかも実体験のようにその場の空気や天気温度湿度匂い感情が確かに蘇って立ち上ってきて不思議です。「ばらの花」のレイハラカミヴァージョンが入ってたシングルに収録されてたはずなんだけど*1あれは「男の子と女の子」だったのか、「ワールズエンド・スーパーノヴァ」だったのか、それとも他のシングルだったのかはちょっと今思い出せない。調べればすぐわかるんだろうけど、調べるほどでもない。「ばらの花」もレイハラカミリミックスが一番好きだ。

「ハローグッバイ」を聴いた時に感じるもののエッセンスが凝縮された映画をさらっと紹介しておきます。それがいいのかどうかはわかりませんが、未だに私はこの映画の登場人物のような毎日を過ごしております。


tokyo.sora

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*1:はてなキーワード使ってさくっと調べた。「ハローグッバイ」は「男の子と女の子」、「ばらの花」レイハラカミリミックスは「ワールズエンド・スーパーノヴァ」収録でした