オペラ座初見アナリーゼ

キャンベル国際のプロトコル見てるんですけど、高橋さんGOEでマイナス食らってるのが失敗ジャンプだけなんで意外だった。ジャッジ全員そろって-3つけてる3Loとか基礎点が0.80になった挙げ句そこからGOE-0.50さっぴかれる1Aなんかもあるけどさ、最初の3F、サーキュラーステップよりGOE高くもらってんのね。綺麗で高かったもんね、あれ。あそこに4Tスケカナで入れてくるかねえ。PCSはやっぱり音楽との調和部分のジャッジの採点のバラツキが気になる。スピンはマイナスあると思ってたけどついてないね。
そんで、ぼんやり思ってたんだけど、やっぱりこの人は『オペラ座の怪人』の登場人物誰か1人決め打ちで演じてるんじゃなくて、その場面場面の音楽に合わせて3人を演じ分けてるんじゃないかなあと。サーキュラーステップのゴージャスな印象は次々キャラクター入れ替えてるからじゃないかなあ。ストレートラインステップの所はキャラクターが1人(ファントム?)に固定されてるように思える。ストレートラインステップ前に有名な旋律が入る所からフィニッシュまでは多分同じ人にキャラクター固定して一気に突っ走ってるんだよね(とりあえず今回の場合は)。
後半の怒濤のジャンプの所の表現が難しいだか入り込みにくいだかなんだか言ってたらしいですけど、あそこの音楽、主旋律と対旋律のバランスが拮抗してるんだよね。女子だったらスパイラルステップシークエンスをこなすようなスローパートなんだけど(ニコライ・モロゾフが何年か後に『オペラ座の怪人』女子に振り付けることあったら絶対そうなると思う)、あそこのジャンプは多分ステップシークエンスをこなすように飛ばせたいと思って振り付けてるような気がすんのね。客がジャンプを見てると思わないくらい軽々とやれと。それもひどい要求なんだけど、他の部分ってテーマがわかりやすいから、ファントムなりクリスティーヌなりラウルなりに割と入り込みやすい、というかどのラインに乗ればいいのかわかりやすい。
でもあの甘やかなパートだけはどっちのラインに乗っていいか迷うんじゃないのかなあ。あそこラブシーンで使われてるんじゃないかとアンドリュー・ロイド・ウェバー版映画もミュージカルも未見の私は勝手に想像したんだけど、だからどっちのラインに乗ればいいのか迷ってる風なんじゃないかと思ったんだけど。他のシーンはその場面の主役が誰だかわかりやすいけどラブシーンはだいたい男女のバランスが拮抗しててどっちが主役かわかりにくいもんだと思うので。
まあ普通は自分の性別が割り振られてる方に無意識に乗るんだろうけど、高橋さんはそれをしてないね。あんまり男女を気にしてないで、その先の感情の揺れを表現してたりしたがってるように見える。より感情が揺れている方がどっちか掴みにくいからうまく入り込めなくて困ってんじゃないのかしら。ジャンプ構成のせいだけじゃない気がする。
他の男子の『オペラ座の怪人』ってだいたい最初っから最後までファントムになりきって押し通すプログラムが多いと感じたんだけど、高橋大輔はそれをしないんだなーと思って。シーン一つ一つ丁寧に掬いあげて選り分けて演じてるのがすごいなーと思った。ロクサーヌの時は映画のワンシーンで済んだから演じるキャラクターも1人で済んでいたのだけど、このオペラ座はその手法をとらないのが斬新というか冒険というか。4分半で『オペラ座の怪人』のストーリーをできる限り細かく演じきろうとしてるのだよね、きっと。
今再生しながら独断と偏見で選り分けてみます。
・オープニングから最初のジャンプ(今回は3F、今後は4T?)飛んで3A準備前までがファントム
・3A(今回は1Aになったけど)、3Lz+2T、レイバックスピンでサーキュラー直前までがクリスティー
サーキュラーステップはどうなってるかようわからんから省略
・サーキュラーあけはファントム
・あ、3F+3Tの後のスローパートは三角関係表してるのかも!だから混乱してるのかも!フライングシットスピンまで三角関係の甘やかだけどピリピリした緊張感が続いてる気がする!
・フライングシットスピンの後は膠着した三角関係に決着をつける対決シーンになんじゃないかなあ。有名な表題曲に切り替わるし。誰になるじゃなく、ここはボルテージあげればそういうものになると思う。
・で、フィニッシュでファントムが倒れるという演出(これ競技会だと変わるよねきっと)に今回はなってるんじゃないでしょうか。