戦いおわって

小塚崇彦賛江

他の人がどうなのかはわからないんですけど、私は新採点方式好きなんですよ。旧採点の6点満点ってフィギュアスケートってそんな大雑把なものじゃないだろ、ってずっと思ってたから歓迎したんですよ。それでその気持ちは今でも変わらないんですよ。フィギュアスケートにはスポーツとしての可能性も芸術としての可能性も、もっと広げてほしいんですよ。そのためにはスポーツとしてはやっぱり新採点必要だと思うんですよ。あと、採点競技全般をもっとクリティカルに語れる雑誌メディア、ジャーナリズムが欲しいなあと思う。WFSってダンマガから分離独立したんですよね、確か。だからもとは芸術方向から攻めてるメディアだと思うんです(WFSの自社広告ぽい感じでバレエ紹介してるページ、あれとてもうまい商売の仕方だし素晴らしいなと思ってる。紹介してるDVDもきちんとツボおさえてるし)、発行元が新書館ですし。こっちは芸術としての可能性を広げるメディアなんだとしたら、スポーツとしての切り口をもっと広げるメディアをそれこそJOCにバックアップしてもらってというかJOCが出したっていいんじゃないかと思う。体操、新体操、シンクロナイズドスイミングなどと組んで(ファン層もある程度かぶってるはずだ)各々の競技の類似点と相違点とか他競技アスリートの対談とか色々面白い組み合わせで深い話もできて採点競技で区切ったら季刊くらいで出せそうだしそれぞれの競技が抱える問題なんかも共有できて面白いと思うから誰かこの企画もってって出せばいいと思う。つかみとして○○ai的なグラビアページも作ったっていいさ、あれちょっとスポーツ見るのが好きになった女子のかなりの割合が通る道だから(私は中学時代にサッカーaiで通りました)(高校野球が好きな同級生とかみあってるようでかみあってない会話をaiノリで交わしていた記憶があります)。

『輝け甲子園の星』とか当時からすごいネーミングセンスだと思ってたけど、やっぱり一定層は購入するんですよね。

http://ai.nikkansports.com/

いろいろと健在でなんだか安心した。今はもう絶対ノレないけどな!

手首がやっと回復しつつあるので今季のフィギュアスケートを個人的にまとめてみます。

ベストスケーター(カップル)

ペア:川口悠子アレクサンドル・スミルノフ

アイスダンス:タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト

男子:小塚崇彦

女子:スザンナ・ポイキオ

ペア理由
今季のプログラムがEX含めて3本当たったこの組に。タマラの育てたロシアのトップ張るペアとしての風格が出てきたと思います。あとはツイストとデススパイラルをどうにかしたらバンクーバーの表彰台真ん中も夢ではないと思ってます。あれだけおかしな構成をつめこんでそれが技術を見せるための技術じゃなくて芸術のための技術であるのがすごい。フリーの衣装(ユーロまで)のスカート丈の長さもツイストの時に映えてて素敵でした。G&G→ベレズナヤ&シハルリゼ→川口&スミルノフの系譜がはっきりできて、すなわちそれが私の好きなペアの系譜です。

アイスダンス理由
ベルビンがリニチュク先生のところにいって見違えるほど表情豊かになって、FDの『トスカ』なんかもうほんとオーソドックスなんだけど、こういうオーソドックスなカップルがきちんと真ん中にいてほしいなと、それでこそアクロバティックなカップルが映えるしアイスダンスの王道はオーソドックスなカップルでいてほしいんですやっぱり。面白リフトとかそれが得意な組はガンガンやってもらえればと思うんですが、そうじゃない組は別にリフトを見せ場にしなくてもやってけるというそういう戦い方ができるような競技であってほしいんです。だから今季のベルビン達のようなきちんとアイスダンスの主食というか、競技の肝を支えるカップルには敬意を表したい。

男子理由
マスコミは『ステップ王子』の名前を使うの早過ぎたよね。この人のためにとっておけばよかったのに。今季の小塚くんに関しては私の友人(元一般人・新婚)の軌跡をたどることで端的に語れる気がします。

病み上がりというかあがりきってないから介抱要員必要だよなと思って08年DOIチケット2枚とった→その日たまたま空いてた友人(妹分その1)に付き添ってもらい無事鑑賞のち帰還→介護のため呼び寄せたからもちろん見てる時になんのフォローもせず見終わった後もそのまま放置→(フィギュアスケートに関しては多分興味ないだろうと放置していた間にその子は入籍)→知らないうちに小塚崇彦に恋をしていた→私の妹分なのでもちろんヲタスキル・情報収集スキルは高く、なんかすごいフィギュアスケートの知識がある子に勝手に育ってた→小塚崇彦への恋心を知った時、既に「私は佐藤家のセンスを支持します」というなんかけっこう高度な用語を使ってた→新婚家庭で毎日DOIなど録画してある小塚崇彦の演技を見ないと寝ないらしい(旦那証言あり)→4CCとワールドの小塚崇彦への採点がおかしいと私にメールが送られてくる→4/4の披露宴(とりあえず小塚崇彦にインスパイアされ紫づくめの格好で祝いにいった)で旦那さんに会ったら多分それほどフィギュアスケートに興味もない旦那さんが中京大入学式のニュースを見て「真央ちゃんの横に無良くんがいたよ」と指摘できるくらいフィギュアスケート全般に対してけっこうこじらせて戻れないところまできてると発覚、そして妹分その1は「●●(←ここに新郎名入る)に『古事記』を滑らせます」とウェディングドレスで宣言→私と妹分でウェディングブーケ使ってロミオラストポーズごっこ→今ココ→国別対抗は私が都合つかないといったら小塚崇彦のロミオを見るために一人観戦にチャレンジ

つうわけでこの文章の横にウェディングブーケの写真を添えておきますが、この写真は『小塚崇彦賛江』と心で書いたのでその気持ちをどうか受け取ってください。

女子理由
ヨーロッパ選手権で台に上った時、もう今季の女子のハイライトはこの人だと決めてました。トリプル5種持ちはもっと報われていい。というか、いくらフィンランド女子全般滑りがすごいといってもその基礎を築いたのはやっぱりポイキオなんだと思った。なんつーか、ほんとまだ若い女の子達はポイキオを目指してほしい、女子かくあるべし。誰もが真央・美姫・ヨナみたいなジャンプを跳べるわけがなく、跳ばなくてもいいんだと思うけど、誰もがポイキオのようなスケーティングは目指すべきだと思う。実際努力すればある程度までは近づけると思うし。この前『スーパーピアノレッスン』見てたら13歳の子に巨匠が注意したことは「小さな癖を直す事」だったんです。「今は小さな癖だけどあなたが大きくなるにつれその癖も大きくなってなおすのは難しくなる、だから今のうちになおしましょう」って言ってたんです。フィギュアスケート見てたらそれはすごく理解できるなあと思って、じゃあそういうところで癖がないお手本になるようなスケーターって誰かなあって考えたらやっぱりポイキオだと思うんです。上品で癖がなくて押し付けがましくなくてしっとりとして、でもジャンプ5種持ってる、まだ若い子達はまずここを目指すべきだと思います。個性とかそういうのはそれが身に付いてから探せばいいです。全般的にスケーティングフェチなのはわかりきってるんですけども、その中でもとりわけパトリック・チャンの中華包丁もしくは青龍刀華麗に使ってます、みたいなのより個人的には柳包丁もしくは日本刀を忠実に使ってます、みたいな小塚崇彦の滑りが好きなように、コストナーのスピードの限界に挑戦してます、という滑りよりポイキオのしっとりゆっくり丁寧に安全運転で寝た子を起こしません、みたいなスケーティングが好きなんです。より地味な方を選んでることはわかってます、でもそういうのが好きです。なんだろうスケーティングフェチの中でもスピード派というよりエッジコントロールがしっかりしてる方が好きなのかな、多分。そんで私が『日本のポイキオ』と心の中で呼んでいるのが淀粧也香さん。全日本で『篤姫』が流れた時に隣の席の人が「この曲誰かに使ってほしかったんだー」と呟いてたのがすごく印象に残ってます。

ベストプログラム

ペア:マクラフリン&ブルーベイカーFS『ウエスト・サイド・ストーリー』(リー・アン・ミラー)

アイスダンス:ヴァーチュー&モイアーFD『グレート・ギグ・イン・ザ・スカイ(ピンクフロイド)』(マリナ・ズエワかな)

男子:ブランドン・ムロズSP『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(トム・ディクソン?ローリー・ニコル?どっち?)

女子:長洲未来FS『天国と地獄』(ローリー・ニコル

ペア理由

マクラフリンのルーツを私は知らないんですけど、ヒスパニックかなと推測して、そしてヒスパニックの女の子(もしくはそれっぽく見えるルックスを持っている)ということがあの映画の設定を今まで見たフィギュアスケートWSSの中では一番活かしていたように思えました。アメリカのペアってこういう面白みがこれからどんどん生まれきそうで、それはまたロシアンペアの伝統とは違った魅力があるように思えます。アクセントの付け方がちょっとフィギュアスケートに今まであった言語と違う感じがしました。足下の技術がしっかりしてるとどんなことやっても嫌味にならないと常々ヴェルネルを見て思ってたんだけど、このペアでもやっぱり思った。ペアなので足下以外もしっかりしてなきゃいけないけど。

アイスダンス理由

あれだけベルビン&アゴストを推したのは彼らにしっかりとアイスダンスの王道を守ってもらわないと、こういう限界への挑戦を存分に楽しむことができないからです。王道がないと異端が生きない、そして私は異端が好きだからです。まさかヴァーチュー&モイアーがこんな異端児だったとは思いませんでしたが(そしてこういうのはあのチームではデイヴィス&ホワイトが担当しているんだと勝手に思い込んでいた)リフトが全部おかしくて見せ場なのはここまでやられると愛さずにはいられない。個人的にはそれ、リフトなの…?持ち上げてないよね…?という股割りつうか180度開脚で男性のスケート靴の上に載るのは流行ってほしい、あれはダンスを見る上でノイズにならん。あとの二つ(それ、ホールドしてないよね?リフト?リフトなの??つうのと海老一染之助染太郎とか出初め式とかみたいな正月感溢れる回り方してるやつ)はルールに喧嘩売ってるのが面白いのと他の人は真似しなくていいけどやれるだけやってみました、みたいなのがすごく楽しくて好きです。『決して他のカップルは真似しないで下さい』とテロップ入れたくなるくらいやり切っていてここまであくまで「技」として見せつけるのもまた一つの芸術であると思いました。でもシュピルバンドさんがやってんだかズエワさんが仕込んでんだかわかんないんだけど、ここの組とメリル達がやってる正月感溢れるリフトは見てるだけでも仕組みがよくわかりません。あれどうなってんですか?あ、テッサ達はODも楽しくてよかったです。来季はきっと『ある愛の詩』だろうと思うのでこんなリフト入れられないだろうけど入れてきたらすごい笑う。超絶技巧でレベル高過ぎて笑うしかない感じで笑う。

男子理由

使われてみれば『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』はものすごくフィギュアスケート映えする曲なのにそういえば今まで使ってるの見たことなかったなあ、と、あの旋律流れた瞬間にやられた!と思った。これ来季ジュニア選手に大流行りすると思うよ。ジュニア選手に合わせやすい音楽とストーリーだもの。この曲をフィギュアスケートに持ち込んだ発想に今季一番盲点つかれた気分になった。なぜかHDD内にコンセルトヘボウ演奏のこの曲が2回録画されていて整理してる時にずっと『やられた』と思いながらあの衣装のムロズがめっちゃ頭の中にちらついて困った。ホルン奏者の緊張感がよく伝わってくるジャンプです!あのホルンのしょっぱなの緊張感ってフィギュアスケートのファーストジャンプとよく似た緊張感だと思う!

女子理由

今季一番完成形が見たい!と思ったプログラムです。純粋に。全米で見ることができてよかったです。ジャンプのDGとか3-3が3-2になったとかエッジが違うとかそういうの関係なく(そういうのは優れたプログラムには本当に関係ないんだな、これは芸術として見てるな)完成形が見られたことがただ満足です。未来ちゃんありがとう。ローリーもありがとう。今季のローリープログラムは本当に輝いてました。

ベストコーチ

ペア:インゴ・シュトイヤー

アイスダンス:ナタリア・リニチュク&ゲンナジー・カルポノソフ

男子&女子:チームコロラドの皆さん

ペア理由

シングルとかアイスダンスのコーチ変更はずいぶん話題になってたけど、シュトイヤーのところ、すなわちサフチェンコ&ゾルコヴィーというペアのチャンピオンカップルがいるところにサフチェンコの元パートナーのチーム、ボロゾジャール&モロゾフが入ってきたっていうのもかなりのニュースだと思うんですよ。なぜかそんなに騒がれてなかったけど。そしてウクライナカップルが見違えるほどよくなっててびっくりしたんですよ。コーチの手腕マジすげえな、しかもここのチーム、コーチ振付だし。前年度のニコライさんとこにいた時の彼らはいったいなんだったんだろうと思った。

アイスダンス理由

ベルビンが変わった。そして足下がめっちゃよくなってた。更にドムニナ&シャバリンにタイトルを穫らせた(でもこのカップルは足下もうちょっと強化してほしい)。それ以上の理由なんかあるかっつうの。

男子&女子理由

シングルのアメリカ代表5人のうち3人がここのチーム。GPF&全米覇者とアメリカ3枠貢献者(ワールド初出場)と女子5位入賞(ワールド初出場)。ペアなんかも含むとアメリカ穫ったのはコロラドだよね。クワンもコロラドの大学に通ってるよね、デンバーってコロラドだよね確か。

ベストリンクサイド

ペア:オレグ・ワシリエフ

アイスダンス:シェイ=リン・ボーン&デヴィッド・ウィルソン

男子:佐藤信夫

女子:阿部奈々美

ペア理由

ワールドかなんか忘れたけど一人で真っ白に燃え尽きる寸前のジョーみたいな感じで椅子に座ってる渋い俳優さんみたいな人が映ってなんだこれ映画?と一瞬錯覚してよくよくみたらオレグ・ワシリエフでした。びっくりした。

アイスダンス理由

4CCで藤森さんに「キリアンホールドですね」と言われるほどシンクロしてそれをリプレイでみて自分たちで爆笑してるキスクラがとても好きです。

男子理由

全日本で目を細めて小塚崇彦の表彰台写真を撮っている姿、いそいそとデジカメもってベストポジション死守してその信夫先生に気付いた長久保先生が寄ってってその場所にいる理由を即座に理解のち自分も写真撮り始めた、そしたらその二人が固まってるもんだから何事かと寄ってきた人々がとりあえず写メる、その一連の幼稚園の運動会with祖父な風景に和みました。

女子理由

全日本でなんかずっととりあえず奈々美先生がリンクサイドにいた。さっきあっちの子についてたと思ったら次はまた違う子、そしてまた次、とコーチやったり振付師として確認したりずっと立ちっぱなしで、でもずっとお美しく、こういう大人になりたいなと憧れました。

ベストコスチューム

ペア:ムホルトワ&トランコフSP初期型

アイスダンス:ペシャラ&ブルザFD

男子:ヤニック・ポンセロSP

女子:安藤美姫SP

ペア理由

こちらの写真をご覧下さい↓

http://www.afpbb.com/article/sports/winter/figure-skating/2532082/3464821

アイスダンス理由

こちらの写真をご覧下さい↓

http://www.afpbb.com/article/sports/winter/figure-skating/2534645/3490265

女子理由

こちらの写真をご覧下さい↓

http://www.afpbb.com/article/sports/winter/figure-skating/2586931/3968652

男子理由

これを選んだら負けだと思った↓

http://www.afpbb.com/article/sports/winter/figure-skating/2586784/3964273

リアルクローズ狙うにしてもせめてこれくらいは凝って欲しいと思った↓

http://www.afpbb.com/article/sports/winter/figure-skating/2534348/3486542

ベストジュニアスケーター(カップル)

ペア:アナスタシア&アレクセイ(ファミリーネーム覚えきれなかったちょっとまって検索する→Anastasia MARTIUSHEVA/Alexei ROGONOVだからマルチウシェワ&ロゴノフになるのかな)

アイスダンス:ハベル兄妹

男子:ミカル・ブレジナ

女子:西野友毬

ペア理由

この子カーチャみたい!と13歳のアナスタシア(だからナターシャなのかな)に興奮しました。でも、私、G&Gの現役時代知らないし、この感覚あってるんだろうか?とドキドキしながら見ていたら杉田さんが解説で「ゴルデーワが出てきた時みたいですねー」と言ってくれて、私の感覚間違ってなかった!と涙が出るほど嬉しかったです。フリーの『くるみ割り人形』、ペアだとアイスダンスでリフトとされるやつ(前述のヴァーチュー&モイアーの最初の股割りリフト)がつなぎの要素としか扱われないのか、つうか入れてくるんだ、もう流行の兆しってあんのか?と思いつつ、なんだかものすごい技術てんこもりなのに表現しきってて、あーロシアだロシアのトップペアだソチ決まったなと思ったんですがソチの頃の女の子が体型変化真っ最中の年齢(まだそんな年齢です!)なのでそれさえコントロールできればいいな。きっと私が愛するロシアのペアの系譜はG&G→ベレズナヤ&シハルリゼ→川口&スミルノフ→マルチウエワ&ロゴノフとなるはずです。

アイスダンス理由

結局ハベル兄妹を選んだ理由はベルビン&アゴストと一緒でオーソドックスなアイスダンスを守って欲しいという一心であり、ここからシブタニ兄妹の話になりますが、マイア(ミドルネーム:ハルミ)ちゃんが米在住の友人に、アレックス(ミドルネーム:ヒデオ)くんがオザケンにめっちゃ似てるんですよ。どうせ小沢健二の名前書いたら検索いっぱいくるのわかりきってるから写真あるとこもはっとくけど、顔とかそういうのより立ち姿とかの動いた時の雰囲気がとくに似てると思います。

http://web.icenetwork.com/skaters/detail.jsp?id=38026&mode=P

大雑把にいうと「育ちと頭がよい英語を使う東部エスタブリッシュメント関係の家の東アジア人の息子」という雰囲気。なんで、CD、ODは「友達とオザケンが踊ってる」という印象が本人達より強くて、でもFDの『ニューシネマパラダイス』は冒頭のマイアちゃんの所作がほんとに妖精みたいで世界観に引き込まれました。シブタニさん達の名前がよくあがるのは納得したというか、アメリカのアイスダンスほんと層厚いな。ノービスチャンピオンになったリードさん達が日本に来た理由がなんかわかった。シブタニさん達ほんと素晴らしいでした。でも、フィギュアスケートで『ニューシネマパラダイス』使う時、一般的に有名なあのフレーズ(ファソラシードレミファーソラシラーソファミファーってとこ。ごめんシャープとフラットは抜いてる)あんまり使わないよね。多分最初にフィギュアスケートで使って有名にさせた人が使わなかったんだろうけど、それ誰?けっこう気になってる。小学校4年の時に初めて映画みて泣いたのがこの映画だからけっこう思い入れある。

男子理由

チェコの男子の滑りっていうのもやっぱり伝統なんですかね?私、サボフチックとかネペラとかしらないからさ、ヴェルネルからしか推測できないんだけど、あのチェコの滑りっていうのが北米でもロシアでもないヨーロピアンスタイルのイメージであるし、きっと私がいてもたってもいられないほどハマって会場に脚を運ぶきっかけがあるならこういう感じのスケーターが女子かアイスダンスで現れた時なんだろうって漠然と思っていたイメージは確信に変わった。のだが、なぜかその前に思っていたイメージじゃない日本人男子(この条件があり得ないと思ってた)がきっかけで会場に足も運べば遠征もし、しまいには五輪みるため海外行こうとまでして英語習うという人生に。でも楽しいからいいです。ポイキオの時に書いたけども、基礎は大事だと思います。そして男子選手はこういうスケーターであってほしいです。嫌みのない足下は断然有利だと思います。

女子理由

全日本ジュニアをテレビで見ただけですが、今季どれだけ不調でも、むしろあれだけ不調でもなお、その才能が誰よりも大きいものだという存在感が出ていて、ジュニア選手に好不調の波は付き物ですし、もしかしたらジュニア選手である以前に西野さんは好不調の波が激しい個性なのかもしれませんが、あの大物感はすごい大事なものだと思う。結果出せなくても小さくまとまらないでいてほしいし、あのプログラムほんと難しいんだけど、期待の裏返しの難しさであり、これが将来への糧になると思うので決して無駄なシーズンではないと思います。あと西野さんの「好きな選手は荒川さん」と一貫して答えるブレのなさが好きです。そういうとこなんか似てる。「真央ちゃん」という答えを期待しているメディアに対してもブレない。ブレないから捏造されてもめげない。そんな西野さんが好きです。ジュニア選手を1年スパンで見るような人々をギャフンと言わせる結果をこの子はいつかどこかで出すような気がする。世界初の4回転を跳んだジュニア女子をニュースで初めて見た時に近いものも感じる。

そしてベストエキシビションナンバーは全カテまとめた中から安藤美姫の『ボレロ』一択です。これからも小林十市さんともっと仕事してください、つうか十市さんがもっとフィギュアスケートに関わってくれればいい、そんで十市さんと cobaさん(本名:小林靖宏)とコラボってKOBAYASHI ON ICEができればいい、小林宏一ベジャールの肉体言語を仕込んで最初に滑らせてくださればとりあえずそれだけで満足です。いや実際十市さんとかcoba さんとか巻き込んでくれたらすごく面白いショーができると思うからコネクション持つ選手関係者はぜひ実現させてください。フィギュアスケートの芸術としての可能性をあきらめるな、と教えてくれた安藤美姫さんの『ボレロ』をこのまま放ってはおかせないよ。

という感じで明らかに途中から息切れしてますが、スケーターの皆さん、関係者の皆さん、本当にお疲れさまでした。と締めようとしたら、まだ国別対抗とかそういうのがあったことを忘れていた(自分が行かないから)ので、なんというか皆さんシーズン最終盤で怪我などなされないようくれぐれもお気をつけ下さい。ここで怪我したらほんとシャレにならないですよね、来季オリンピックシーズンだから。ただ、アイスダンスと男子は去年大一番に出られなった人々が優勝したのは喜ばしいことだと思いました。