報道の軽さ、命の重さ

CNN流しっぱなし勉強法という限りなく睡眠学習に近い英語勉強法をやっておりますと、日本に関係するものが流れてくるとものすごく反応するんです。単に知らないものばかりだと思っていたらいきなり知ってる固有名詞が出てくるからだと思うんですけど。
まあそんな程度のおぼつかない調子でありますが、連日トヨタのブレーキだのリコールだのはここぞとばかりトップニュースで流れてるくらいは理解してるんです。一方、これが日本のメディアになると、今度は最大限に目立たないように見せているので驚いた。報道だから一応とりあげますよ、というポーズはあれども、(今の所は)必死にトヨタかばってやんの。三菱の車の時はあれだけ騒いでたのに。
アメリカはアメリカで自動車産業ボロッボロのところの敵失に浮かれてここぞとばかり叩いてやんぞ!って気合いまんまんだし、日本は日本で大事なスポンサー様は私達が守りますつう思いやりの心がまんまんだし、どっちもどっちだというか、中立なメディアなんてないと痛感してるところにプロ野球選手の転落死のニュースをたまたまネットで見た。
で、その日、NHKの19時のニュースでトップにくるのかなあ、と注目して見てたらなんと一度もとりあげなかった。30分だから?と思って21時のニュース待ち構えてたら、そっちですらとりあげなかった。連日キャンプ情報を流すくせに死亡ニュースは流さないってなんだそれ。れっきとした一軍選手だろ?と。
そんで煮え切らないので『報道ステーション』みたら、一応とりあげますよ、つうやる気なさ垂れ流しのスポーツコーナートップでさらっと触れただけ。たまたま見た『バンキシャ!』もそうだけど、キャスターが何も言わないで次のニュースいくのね。すっごい不自然。朝青龍でギャンギャン騒いでるのにキャンプ中に選手が転落死しても騒がない。
考えると、パ・リーグの放映権を一番握ってるのNHKだろうから、それで触れなかったのかなと推測してみたんだけど、報道というものはかくも不自然な形で成り立っている、いやそれは報道なのか、報道として成り立ってないから不自然なんじゃないのか?いやでも報道ってそもそも何よ?全ての報道は大本営発表か?CNNで異国のスモウレスラー朝青龍の引退は流してても日本では世界的に人気みたいな扱いのフィギュアスケートの話題なんてみたことないしなあ、などと迷子になりかけてるところ、あるブログに到達。
http://ameblo.jp/bickey10/
亡くなったオリックスバッファローズ小瀬浩之外野手の同僚、大引啓次内野手の言葉に自分を恥じる。
http://ameblo.jp/bickey10/entry-10453724716.html

人の死とその周りのことに全く気持ちが及ばず、なんで報道しないんだ、と色々邪推して穿って黒いものがたくさん!なんて思ってた自分自身が真っ黒で鬼畜もいいところだ。メディアスクラム気持ち悪い、でも報道すべきものを報道しないのも気持ち悪い!とか言いながら情報漁ってる時点で自分も同罪なんだと。報道すべきものなんて結局個人個人で異なってるし、身近な噂話の消費は嫌がるくせに有名人の死をよく知らないし思い入れもないのに消費している自分が嫌になった。そっとしといてやれよ、と、ニュースバリューが!うんぬんよりまずそっちの気持ちが出てくる人間でありたかった。

情報を握ってるつもりで情報に振り回される愚かな人間がここにもいました。
20世紀だったら出てこなかっただろう近い人の肉声がそのまま届いたことで頭も心もぶん殴られました。それで覚めるだけの目はかろうじて持っていたということです。

五輪開幕前でまだよかったと言い聞かせてこれからの日々は冷静に、チェックするものは本番演技だけ、という生活を送り過ごしたいと思います。

関係あるようなないような話。

安藤美姫物語-I believe- (KC デザート)

安藤美姫物語-I believe- (KC デザート)

20年ぶりくらいに折原みとりんの漫画を読んだ。絵柄は変わっててもコマ割とかネーム回しとかトーンの使い方が小中学生の頃よく読んでいた折原みと先生のままで、この肌触り覚えてる!と、そういうことを感じる自分にびっくりしました。この人なら美姫ちゃんも安心して自分のことを託せただろう。私の知っている折原みとはそういう作家だった。
私の記憶が確かなら、折原みと先生は渋公の向かいのライブハウスでライブ(自作CDも売ってた)やったらファンであふれかえるアイドル漫画家だったんだぜ。宍戸留美岡崎京子の間のポジションで月刊カドカワに特集されたりしてたんだぜ(誌面構成的に)。
懐かしくて検索したら当時の情報あった、びっくりした。そうそう渋谷Egg-manだ、あそこのライブハウスの名前。
http://www.animetopics.com/news.php?news_seq=600
現役中2当時読みふけった折原みと先生のティーンズハートの文庫本は数年後NYから一時帰国中の叔母に発掘され、「もらっていい!?こういうのあると助かるのよー!」と米東海岸の日本人コミュニティに旅立ちました。折原みと『時の輝き』と吉行淳之介砂の上の植物群』を一緒に読んでいたのがいかにも中2的で恥ずかしくなります。