ブランニュー・アクティビスト
最近感動したのはなでしこさんとTENGAとBiSです。
なでしこさんは私が語るまででもないので、いや語れることはたくさんありますけど(最初の2試合は試合日や時間を間違えて見逃したけどイングランド戦からはきちんと見たよ)、皆さんもうわかってるから置いといて、TENGAとBiSだ。
ネットを彷徨ってたら漫☆画太郎先生がTENGAを語るページに行き着いていた。
http://www.tenga.co.jp/voice/mangataro.php
そしたらなんかここのサイトえらくシャレてて、TENGAのコンセプトページにほとばしる情熱を感じて(http://www.tenga.co.jp/concept/index.php)、オカモトとのコラボサイトにあったコンセプトにはほろりと涙をこぼすかと思った。
OKAMOTO×TENGAは、
http://www.tenga.co.jp/okamoto_tenga/concept/index.html
性にまつわる製品を扱う2社によるコラボレーション・ブランドです。
”正しい性欲のコントロールによる健全な生活の実現”
”不幸なセックスによる、中絶・性病・性犯罪の撲滅”を掲げ、
正しさと楽しさを両立しながら、あなたのセクシャル・ウェルネスをサポートします。
ああ、いいなあ、これは松浦理英子の掲げた「非性器主義」に通じるものがあるんじゃないかな、と感じ入って、男性サイドからこういう動きが出てくる時代になったんだなあと感動していた。
松浦理英子のいう「非性器主義」って、別に性器を使う性交渉を全否定してるわけじゃないと思うんです。それはあってもなくても別にいいよ、ただチンコとマンコだけを目的にしたつながりはやめましょうよってことだと思うんです。そういう下半身に全人格を支配されているような行動じゃなくて、人と人として尊重しあえる情愛なり友愛なりの関係を育みましょうよっていうプラトニックな発想からの延長線上にきちんと性交渉をおいてる非常に倫理的な考え方だと思うんです。これは異性愛に関してだけじゃなく、チンコとチンコ、マンコとマンコ、チンコが欲しいけどチンコがついてない人やマンコが欲しいけどマンコがついてない人についてもそう考えてるんですよね。もっと大きく人間同士だけの愛情からもはみ出てるテーマまで書いてるんだから、松浦理英子は非常にまっとうな「愛の人」だと思います。だから好きですし、私は助けてもらえました。
松浦さんが「非性器主義」を打ち出していることが世に知られたのは「親指Pの修業時代」が出たことがきっかけだと思うので、あれから20年くらいでやっと世間が松浦理英子に追いついたんだと思います。
- 作者: 松浦理英子
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そして、男性側からの「非性器主義」への解放の象徴がTENGAだとすれば、女性側からの「非性器主義」への解放の象徴はBiSだ。
My Ixxx / BiS 新生アイドル研究会
http://www.youtube.com/watch?v=wSI-IJls5Vg
もうこのPV何度みても感動する。大好き。
The Slitsを友達が引き合いに出して紹介していたから、松浦理英子と岡崎京子というか特にその中でも「東京ガールズブラボー」のサカエちゃんと共に育った辺境サブカル女子としてはナチュラル・ウーマン!ジャパニーズガールズブラボー!と喝采したよねとりあえず。
- アーティスト: Slits
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BiSのPVって、ものすごく深読みしようとすればできるんですよ。本人達は割と無自覚に面白そうだからやる、くらいの感覚でしかないみたいなんですけど(それがまたとってもクールでいい)。
紹介してくれた友達にフリッパーズ・ギター、ピナ・バウシュの「春の祭典」、ゴダールの「ワン・プラス・ワン」、ここら辺のキーワード出したの私なので、野暮ながら一応注釈いれていきますと、フリッパーズ・ギターや岡崎京子の引用癖と元ネタ探しっていうのが思春期の始まりに出会ったものだと単純にdigっていくのが楽しいっていうのがあって、その欲望を満たしてくれるんだよねこれ。でも「アーティスト」じゃなくて「アイドル」、むしろなんか「アーティスト」って重いし「アイドル」の方が楽しそうってくらいの動機で軽く転向しちゃってるプー・ルイの感じが「今」だと思うしすごく好きです。
ピナ・バウシュの「春の祭典」は、私が地震直後によく見てたんですけれど、舞台上(人前)で裸になる(胸をさらけ出す)、それがエロ目的じゃない、そこが共通してるんだけど、ピナの作品だから痛々しくて生々しいんです。どっちも架空の儀式みたいなイメージでやってるんだろうけど、裸をエロから解放して、痛々しさからも解放して、え?裸ってなんかおかしい?てかまだ服着てるのwwwみたいなノリまで持っていける時代に感慨深くなりました。幼児が裸でビニールプールで水浴びしてるのすらおおらかに見過ごせなくなりつつある時代にこれ。大人が裸でインドの祭りでぶっかける粉ぬりたくってる。その姿は単純に微笑ましいし美しいし楽しいし何より面白い。
JLGの「ワン・プラス・ワン」は、検索したらはてなできちんとレビュー書いてる方がいたので、そこを読んでいただければだいたいのことは書いてあるんですけど(こちらです→id:kuriggen:20070205)、ここに書いてないことで補足しますと、このフィルムを回している最中にローリング・ストーンズのメンバー脱退劇があるんですね。BiSのこのPVもメンバー1人脱退した後にドロップされたよなーというようなことが頭をよぎった。あと、森の中でえんえんと少女がどうでもいいようなインタビューを受けているシーンがあるんだけど、あれとの対比で、あの精神的不毛さとこの開かれ方の違いをすごく感じて、あの時代におけるルサンチマンとかコンプレックスとかが過去のものになったと認識できた瞬間だったんですよ。出したキーワードは全部そんな程度の些末なことです。そんな過去を積み重ねてきて今こんな時代になった、という突破力というか「ロック」でも「パンク」でもなく「アイドル」がその突破力を持っている時代なんだという、今一番自由奔放なのは「アイドル」なんだという、その新鮮な空気を存分に味わっています。このBiSの前じゃベッティナ・ランスですら古い・重いもの。
BiSとtengal6が対バンつうか共演?でもノリとしては対バンみたいな感じで出てるイベントの動画も見たんだけど、TENGAさんはBiSもスポンサードしといた方がいいと思う、いやするべきだと思う。