一応公開します。

id:crossageさんとid:twistedさんを中心としたmixi日記での議論(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=8242830)に首をつっこんでしまったので、隠れているのは卑怯かなあ、と思いまして、使い方もよく決めないまま再出発することにしました。


のだめカンタービレ (5)

のだめカンタービレ (5)

これについて本筋とは関係なかったので書けなかった話をします。5巻を選んだのはこの巻でギャグ漫画からマジ漫画へと変貌せざるを得なかった事件が起きたと私が思っているからです。

個人的な思い入れとして、『のだめカンタービレ』以前の音楽漫画の最高峰が『いつもポケットにショパン』だったのですが、この二つの漫画に共通している事があって、主人公(千秋も主人公とみなします)がラフマニノフピアノ協奏曲第2番ソリストに選ばれて、その演奏会の後で『いつもポケットにショパン』では主人公の人格が成長を、『のだめカンタービレ』ではストーリー自体が成長を遂げるのです。

くらもちふさこが文庫版の最終巻の作者あとがきで

たいへんな影響をこの作品に与えてくれた二人の存在があります。それが、ピアニストの宮沢明子さんと、作曲家でもあるラフマニノフです。(中略)ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番は、映画音楽としても有名ですが、初めて聴いた時の衝撃を今でもずっとひきずっています。
「こんなクラシックもありなの?!」
 と、私のそれまでのクラシック音楽固定観念を、簡単に吹き飛ばしてくれ、これもまた、その世界への近道となってくれました。

と記しています。

くらもちふさこは自覚してラフマニノフピアノ協奏曲第2番をモチーフに使っていますが、二ノ宮知子がそこまで考えていたようには思えず、出てくる曲の一つに過ぎなかったこの曲を漫画表現で描き切る事に成功した時、それを描き切る事で起こってしまった事態に気付いた。それが『のだめカンタービレ』という漫画に事故が起きた瞬間だと私は思うのですが。作者も意図していなかったろうから、事件というより事故ですね。

という事が言い足りなかったので、この場を使わせていただきました。


いつもポケットにショパン (2)

いつもポケットにショパン (2)

この巻での主人公の演奏と『のだめカンタービレ』5巻での演奏を見比べると面白いですよ。