考えた私

この夏のヲタ活動中に「フィギュアスケートの魅力ってなんですか?」と聞かれたことがあって、私はその時に全くうまく答えられなくて、それからずっとそのことについて考えていたのだけど、きっとそれは「要素が凝縮されている」ところが私にとっては魅力なのかもなあ、と、思いついた。
子供の頃に、女の子はとりあえず習い事としてピアノとバレエに憧れることが多いと思うのですが、私はバレエにも憧れたけど、それよりフィギュアスケートの方に憧れてて、何がバレエより魅力的だったのかというと「動きが嘘っぽくない」と思えたからなのです。
バレエで板張りの舞台の上で片足でつま先だけで立って何回転もするのは不自然だけど、フィギュアスケートで氷の上でスケート靴で何回転もするのは自然に見えたのです、だって氷の上だから黙って立ってるより滑ったり回ったりする方が自然だと。これは北国の子供の身体感覚が出てるのかも知れないけど。私が子供だった頃、北国の子供はミニスキーというもので冬場遊んでたのです。
ミニスキーってこういうの。
http://www.naturum.co.jp/item/item.asp?item=482658
http://www.valley.ne.jp/~ishikida/1001miniski.htm
こういうので普通にそれこそアイススケートの要領で道ばた滑ってた。怪我するから学校からミニスキー登校禁止のお触れが出たりした。
それで、氷の上で動く方がバレエより滑らかで美しく見えたし(摩擦とか抵抗とかなくてツルッツルしてる所を移動する時の苦労はアイスバーンなんかでスケートリンク行くまでもなく普段の生活の中で経験済みだから、ああいう風に動けたらいいなあと思ってたのかも)、これが多分幼稚園か小学校低学年あたりでフィギュアスケートに惹かれた原体験なんじゃないかなと思います。

あと、フィギュアスケートって総合芸術に近いかなと思うところもある。
wikipediaの視覚芸術のところから持ってきますけども、

歌劇・映画などこれらの要素を複数含んでいる総合芸術などもある。これらは体の動きを見せる演技と、台詞やストーリーなど文学に属するものが主な要素であるが、その他に音楽やせりふの発声など音響に属するものや、セットや服飾などの美術、カメラワークや演出の技法などさまざまな視覚芸術の要素も含んでいる。

体の動きは勿論、音響、美術あたりはそのままで、カメラワークや演出の技法も色々言われますよね(ここらへんは長年私が現場組ではなかったので私の場合のフィギュアスケートの要素には組み込まれている)。文学の要素は普通に考えりゃ欠けてるんだろうけど、私は使われてる音楽の元になった映画なり歌劇なりに付随するストーリーというバックグラウンド込みでプログラム見ること多いから、これも脳内補完してるんだと思う。

でも純粋に芸術として鑑賞されるわけじゃなく、スポーツという勝ち負けがきっちりつくシビアだけどシンプルな世界に属しているのが面白いんだろうな。言い訳できないもの。私は人生ガチで渡り歩いているので、こういうの肌に合うし、色んな要素が複雑に絡み合っているからこそ面白いんだと思います。

一行でまとめると、
フィギュアスケートにはクラシックバレエの要素もバレーボールの要素も入ってるから一粒で二度美味しいってこった。