青春はいちどだけ

デロベル&ショーンフィルダーのFDの「俺たちに明日はない(というかボニー&クライド)」が大好きだったので、10年ぶりくらいに見た。Amazonで980円だったから、見よう見ようと思いながらずっと見ていなかったジーナ・ローランズの「グロリア」(たまたま夜中にやってたシャロン・ストーン主演リメイク版は見た)と一緒に買った。

俺たちに明日はない [DVD]

俺たちに明日はない [DVD]

以下思ったこと・気付いたこと
・音楽がアメリカ南部を象徴するバンジョーを使ったものなので、そらまあ確かにアイスダンスでボニーとクライドをテーマにしてこの音楽はしまらないわなと。なんでサントラ使わないんだろって使えるわけねえなと。
・映画自体にはあってましたけど、そのまんまこの音楽を使ってプログラム作るのは勇み足だなあって、だからかわりに「アンタッチャブル」を持ってきたのはカメレンゴの匠の技といっていいかと。
・というかこんな音楽がついている印象がまったくなくて、ゲンズブール&バルドーの「ボニー&クライド」の印象の方が鮮烈で、それできっとああいう手触りのフィルムにゲンズブールがつけた音楽みたいなもんだったような気になってて、そういえばゲンズブールもデロベル&ショーンフィルダーもフランスだもんなあって、この映画だって最初は監督JLGあたりに頼んだんでしたよね?曖昧な記憶だから間違ってるかもしれないけどJLGじゃなくてもヌーヴェルヴァーグの誰かだったと思う。
・DVD見返した直後にFD見ました。触りで強盗ぽいことやってて、その後はボニー・パーカーが川を渡る時に撃たれる前後、そしてラストに向かっているということまではわかったのだけど、かの有名なラストシーンは再現していないよね?最後のポーズ何度も確認したんだけどやっぱりあれは何を意味しているのかわからん。撃たれる直前?C.W.モスの父親のところに行こうとしてるあたり?
・バロウギャングのブランド名の由来にうかつにもずっと気付いていなかったので、私はガルシア・マルケスを知らない人を決して馬鹿には出来ない。
・初見時あれだけ持っていたベレー帽は今一つも持ってないや、どうしたんだろう。当時のオリーブ少女がコスプレしやすい格好だったかといえば意外とそうでもなかったなあ。ワードローブひっくり返して自分的にはコスプレできていたと思っていたのは一体なんだったのだろうか。
・でもコスプレで外に出たら「よだれかけ」と言われました。なのでしょんぼりしながらスカーフ外しました。
・この映画で描かれていたボニー・パーカーも「孤独でセンシティヴなインテリ女」だったことがわかった。大学生の時「ボニーとクライド」に興奮して眠れなかったのではなくて、ただボニーだけを見ていたんだなあと。
・ボニーを理解するものはクライドしかいなかったのだけれど、クライドには他にも理解して一緒に行動してくれる家族がいた。ボニーにはクライドしかいなかった。その孤独がやるせなかった。
・この二人に肉体関係があったかどうかというのは瑣末なことでもっと根源的な絆があったんだなあと。
・ボニーは普通に新聞読んでたけど、この時代のアメリカ南部の識字率ってどのくらいなんだろ?青い鳥の話を聞かせていたあたりボニーも本を読むのが好きな少女だったんだろうなあと。
・青い鳥を語らせておいてあのラストっていうのが小粋な演出というか残酷さを際立たせているというか。
・クライド兄嫁のうざったらしさが最高に最低でした。田舎の素朴なおばちゃんがそこにいることでボニーの特異な個性が際立っていて。
フェイ・ダナウェイ加藤夏希は似ている。
・ラストは違うけど「個人的な体験」で描かれていた鳥と火見子の関係性ってこれだなあと。
・青春が終わる時というのは誰にとってもこういった痛みを伴うものなのでしょうか。
・私の青春が終わった時がいつだったか「個人的な体験」と「俺たちに明日はない」を参考にしてやっと特定できた。
アメリカ南部のだだっ広さが描かれている時代の閉塞感と相まって救いようのない気持ちが増幅される。
アメリカ人はヒーローが好きなのと一緒の気持ちでアンチヒーローも好きなんだろうなあ。
・最大の敵は使えない身内だと改めて思う。
フェイ・ダナウェイは記憶の中ではグラマーな印象だったが改めて見るとスレンダーな人だった。
・やっぱり面白かったし名作でした。
・ローバジェットで頑張っている映画でした。ローバジェットだって初見時気付かなかったけど。

PCがめちゃくちゃ熱くなってるから続けて「グロリア」を見るのは断念しました、そしてブログなんか書いてる場合じゃないと思う、PCクラッシュしたら元も子もない。