カルチャー猛チャージ中

昨日見られなかったから「グロリア」さっきまで見た。DVD再生できんのノートPCだけだからめちゃくちゃ今これ熱もってるんだけど、保冷剤のっけて冷やしてるんだけど、きっともっと効率いい方法あるんだよね。

やれ「レオン」の元ネタだの「恋する惑星」でウォン・カーウァイがオマージュを捧げていただのオリジナル見ている人にはたいてい不評と決まっているリメイク版は個人的にはけっこう面白かったのになあだの外堀がかなり埋まっている上で見たのだけど、特にそれらの作品がちらつくことなく面白かったです。でも、リメイクの「グロリア」って全然話違うのね、あっちのディテールで子供がぜんそく持ちとかそういうのが設定として凝っていたなあと思っていて、別物だとして見ると楽しめると思います。ジーナ・ローランズの肉体で演じられる役とシャロン・ストーンの肉体で演じられる役というのは当然違うので、同姓同名で似たような境遇にいる主人公だと思ってみるといいんじゃないかな。

グロリア [DVD]

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比べてみたらリメイク版のパッケージの安っぽさが今ちょっと沁みた。

オリジナル版のグロリアの部屋のジャポニズムともまた少し違う日本趣味は誰の意向なんでしょう。
「孤独でセンシティヴなインテリ女」は青春ストーリーに欠かせないのですけども、そこからどういう大人を目指すかっていうと、こういうタフだけどやさしい、むしろやさしいからタフで自分の足でしっかり立っている女性像は魅力的だなあと思います。足を引っ張るような人間を叱責したり距離を作るのではなくそれをまるごと抱え込むことのできる強さがかっこよかった。

あと「グロリア」と同じように外堀埋められてちまちま読み進めている大江健三郎、やっと借りた本ラストの「万延元年のフットボール」を読み始めるところまでに。
私の大江健三郎への辿り着き方のおおざっぱな分類
1.姜尚中エドワード・サイード→大江(インテリメガネライン)
2.小澤征爾伊丹十三武満徹他→大江(昭和10年前後生まれ世代文化人ライン)
3.ボーヴォワールサルトル→大江(仏文ライン)(又の名をノーベル賞辞退→受賞受け入れライン)
番外
4.松浦理英子西原理恵子などルーツが四国系

思ったのは、大江健三郎には「日本文学」にありがちな変な情緒がなくて読みやすいです。ムードに流されないから難しいとか読みにくいとかも言われるんでしょうけど、純文学ってこういうもんじゃないのか、と私は思う。
私は適当に懊悩し(たふりをし)て「やれやれ」と思考停止してられるほど暇人じゃないのです。あの「やれやれ」とかいう「常識がない」と同等の思考停止の呪文が大嫌いなんですよ。
あまりここで嫌いなものについて書きたくはないんだけど、正直、過去の自分*1劣化コピーをまき散らして信者に買わせて文学に触れている気分にさせているの、あれ、「人間革命」と変わらないと思う。私、あの人、純文学を冒涜してると思うし、もう既に「老害」だと思う。もしまだ現代の日本に「純文学」というものがあるのだとしたらそれを貧弱なものにした戦犯はあの人だと思っています。もしあの人の流儀にのっかったものが今の主流の「純文学」なのだとしたら私はそんなものに決してのりたくはない。

*1:それ自体の評価はともかくとして