ロシアンディープエッジ最強

スケーティングフェチディープエッジ属性の私ですが、実はそれほどピンとこないディープエッジャーもいらっしゃいます。
で、考えた結果、私はロシアンロマンチシズムのこぶしが回ったディープエッジが好きなんだと。
基本:スタビスキー(ド直球のロシアンこぶし、なのでロシアンクラシックを滑ると逆にやりすぎ感があるかも)
リエゾン:アニシナ(ロシアンロマンチシズムとフランスのエスプリが融合)
突然変異:高橋(ロシアンロマンチシズムのこぶしが回っているのにしっかり「秘するが花」的な日本の文化というかオリエンタルな部分も持ち合わせている)
完璧極まっている人を大雑把に書くとこんな感じかと。
だから、アニシナがプロコフィエフで滑るとあれだけハマったのか、と今更ながら気付いた。ロシアを出て北米やフランスさまよった人の音楽とスケートだもの。境遇一緒だもの。
ラフマニノフチャイコフスキーのロシアンロマンチシズムの魅力を今最大限に引き出せるのが(基本の人がいろいろあってアレなので)日本人のシングル選手という状況は何が起こってるんだかよくわからないくらいすごいですね。私、ラフマはともかくチャイコの曲の「聴かせどころはここだ!」とばかりに全音階であがったりさがったりするベッタベタなチャイコ節が苦手だったんだけど、あれの良さわかったもの。あーでも、これ、日本人が解釈してくれたものだからわかったのかもしんないなあ。オザワの指揮にもそういうところあるもんなあ。
自分の力だけでは決して見ることができない風景を滑りだけで見せてくれる人はいいなあと思う。自分の持っている風景以外を見せてくれて、更にその風景と私の持っている風景はどこかつながっているような気にさせてくれる人がいるのは奇跡以外の何者でもないし、もうこういう人には出会えないとも思う。私はずっと同じ風景を持っている人を探しては挫折してばかりで諦めかけていたから、彼が存在しているだけで存外に幸せなのです。
両性具有的な日本の文化(例えば歌舞伎の世界は男性が娘役をやるし宝塚はその逆だ、それが現在通年興業として成り立っている国は珍しいんじゃないのかしら、よく知らないけど)をもっている人でありなぜかロシアンロマンチシズムも自然にその滑りに流れているのがいったいどういう仕組みなんだかと思いますが、絶対本人は意識してないんだろうなあ、意識すると出ないもの、ああいうの。
でも、名前挙げた人ってロシア人でもなぜかロシア代表で出てる人じゃないのね。故郷を捨てることによって浮き出てくるものがあるのかもしれんがようわからん。