セントラルドグマ突入

marginalism2007-09-12

大相撲見てきました。二日目。お相撲さんってみんないい匂いがしてて、てっきり汗臭いのかと思ってたら全然違って、色とりどり柄とりどりの浴衣に風呂敷もって続々と国技館に入っていく様子はみんな黒髪で同じ髪型にしなきゃいけない校則の厳しい学校に通う女子高生のようでした。
力士は確かに大きいんだけどテレビで見ていて思っていたよりは大きくなくて、赤ちゃんがそのまま大きくなったような造形なので可愛かったです。ある意味ネオテニーというか、性別が未分化な状態に近い、そういう意味での異形という感じ。神事を扱うものであるという意識が強くなった。だから土俵に女性はあがってはならないと思います。
ああいう場所に関しては浅薄なフェミニズムの論理を振り回してはならないです。
相撲はスポーツ扱いできる部分もあるけど、やはり伝統芸能の色もなかなか強い。
本場所中だというのに平日の国技館は老人ガキんちょ外国人その他で構成されている亜空間でしたが、居心地はよかったです。

あと「いい音を出せる人はいいアスリートである」という持論をここでも体感することに。
だいたい三役あたりになると腹を叩く音(正確に言うとまわしを叩く音)がよくなってきます。その日の調子もこの音である程度はわかるんじゃないかと思った。ちなみに秋場所二日目一番いい音出していたのは千代大海。ものすごく身の入ってよく響く皮が丁寧に張られてピンとしている太鼓のような音を腹の底から鳴らしてました。太鼓腹ってこういう意味もあるのかと思いました。芯をとらえた音が出せる力士は強かったです。
サッカーでもフィギュアスケートでも体感する一流選手が出す腹の底に響くような音をまさにそのまま腹から出してました。
テレビではこれはよく伝わらないです。

今回たまたま機会に恵まれて国技館のあんなところやこんなところやそんなところまで見学してきたのですが、驚く程裏方で働く人が多いのなあ。さすが国技。
そんで今お相撲ってチケット安いんですね。自由席2000円ですって。相撲レートで考えると国技館の自由席に相当する席でさえ10000円って。これは出せないなあ。相撲でいうところの本場所でもないのに。
ブームの頂点にある競技とブームが去りきって素人にもわかる看板力士がいない状況の国技を比べて、ブームが遺すものってなんなのかなあ、と色々思ったけど面白いことでもないので割愛。魁皇の会場の相撲コアヲタからの愛され方は尋常じゃない。
ああいう愛し方愛され方はいいなあ。

写真一枚撮るのにもびびりまくってる私に対して他の皆さんは不思議な顔をされていましたが、スポーツ観戦で写真って本来はそんなにびびって撮るものじゃないんですよね。
何はともあれ15日間もあんなの続けていると体力がないと続かないと思いました。力士親方その他の関係者全員。東京ワールド5日間でへばった経験がそんなことを理解するのにも役立ちました。