ブラームス好きは鬱傾向あるよね

N響アワー(この番組ここ1,2年くらいフィギュアスケート厨及びのだめ厨にいかにこびてるかと思う)(というか最近メジャー曲しか扱ってないからメジャー曲使いやすいものとリンクしてるだけかもしんないけど)(もうちょっと冒険してくれや、つう気持ちと、初心者用の番組編成このフィギュア&のだめブームの時期だからちょうどいいのかな、つう気持ちと、N響自体に対する忸怩たる思いが池辺先生のダジャレによって全て相殺される毎週日曜午後9時です)がブラームス特集だったの。無良くんの滑りについてブラームスがいいと熱く語った次の日に。
そんで、ブラームスのピアノコンチェルトと交響曲のそれぞれ1番って言ってたから、そういえば最近このプロでピアノソリストやったのってグリモーじゃなかったかなあと思って見てたらやっぱりピアニストがエレーヌ・グリモーだったの。
ウォルト・ディズニーホールでの演奏がいつものN響とは思えないくらい響いていたからコンサートホールの違いってすげえなあって思いながらピアノが入ってくるの待ってたの。
そしたらすげえピアノ調子悪そうなの。いやまあ他のピアニストの演奏と比べるとそんな悪くないんだけど、多分グリモーのライヴ演奏YouTubeなんかで見てるのと比較すると、本人比では息も絶え絶えな感じで弾いているの。
で、それに指揮者も気付いてなんとかしたいんだけど、オケは気付いているのかどうかわからなくて、気付いていたとしても助けを出す力量がなかったのかもしれないし、助けられる曲でもなかったのかもしれないし、ピアニスト調子悪い、指揮者それに気付きドキドキ、オケ既にいっぱいいっぱい、みたいな曲自体がしんどいのに更に演者のバラバラな息づかいが気持ち悪くなるくらい伝わってきて(なぜなら私はおおざっぱにいうと全ての立場の経験があるからです)、第一楽章はなんとか無難に乗り切ったけど、これこのあとの楽章どうなったんだろうって知りたいけど知りたくない感じでえらく消耗しました。(その後、グリモーが慢性疲労症候群になってるらしいと知った)(この演奏を録画した時は症状は出ていてもそれの原因がわからない頃だろうなあと思ったら非常にしんどくなった)。
ちょっと感想見て回ったけど、あれがいい演奏って言われてて、本当はこの人こんなもんじゃないんだよ、と思って、一人で勝手に憤っていて、でもファン心理ってそういうもんだよなあ。あの状態でこらえたことは舞台の上にあがった人間としての最低限の責任を果たしているから賞賛に値するのだけど、でも、本当のこの人をみんなもっと知ってくれと思ってしまってさあ。

でも、あれを見て調子悪そう…と思った人の感想って見つけられなくて、私がおかしいのかなあ。あれ、自分がしんどいピアニスト本人だったらもう自分のことしかみえなくて最低限の仕事だけはなんとかしなきゃ、つうのでいっぱいいっぱいだろうけど、指揮者やオケの方の立場だったら舞台のっててどうやってフォローしていいかもう手も足も出なくてめちゃくちゃ気疲れするだろうなあってすっごく感じた。本番の舞台の上で倒れたことはないけど倒れそうになったことはあるからその時の感覚がもう甦って気持ち悪かったです。

グリモーのロベルト・シューマンクララ・シューマンヨハネス・ブラームスに焦点をあてたコンセプトアルバムすっごくいいよ。

リフレクション

リフレクション

Rシューマンブラームスの音楽の間のミッシングリンクは音楽的にもクララだったか、って納得する。この三人、誰が欠けても三人の音楽はこうはならなかったと思う。一番冷静なのクララ(下手したら一番才能ありそうなのもクララ)だけど、その冷静さが女の怖さだなあと思う。数多の文献に書かれている通り他の二人の音楽に対するクララの影響は甚大だったことがいとも容易く理解できる。

この前ベルト・モリゾ展いった時にも似たような感覚味わった。印象派ミッシングリンクベルト・モリゾだったか!と。ミューズとクリエイター両方の役目を果たす女性の視線の怖さって独特のものがある。それを「お嬢さん芸」と男どもがこぞって蓋をするのはその怖さと向き合いたくないからだろうと私は思いました。お嬢さんの中で浮いている人のやる「お嬢さん芸」の迫力をどうとらえるか、は向田邦子とかこうの史代とか高野文子をどう読んでいるか、とも通じますね。勝手に「お嬢さん芸」だと見くびっていたものに逆襲されると激昂する人っていっぱいいるよね。
あの、これ、日本盤買った人、私、輸入盤買っちゃったんだけど、日本盤のDVDとボーナストラックって必見&必聴?DVDは輸入版に日本語字幕ついただけ?どなたか教えていただけると嬉しいです。

つうかこれなあに?クライスレリアーナ、新録音?それとも再発?
シューマン:クライスレリアーナ

シューマン:クライスレリアーナ

あ、メーカーみたらDG移籍する前のものか。