ここでディーンのターン!

つうかボレロのターン!
あのですね、プリンスアイスワールドの群舞のボレロ、よかったんですけど、よかったんですけど、きちんとまとまっている群舞でボレロを見ると、「誰がリズムで誰がメロディなの?」「つうかメロディ踊るの許されてるダンサーはここにいるんですか?(ベジャールお墨付きのダンサーなんかバレエじゃないんだからいるわけない)」などむずむずして、どんだけ自分がモーリス・ベジャールの『ボレロ』を愛しているのか、ということに気付いてしまって、群舞で見るとダメだ、これ私の問題。ほんと勝手な私の問題。
今までフィギュアスケートの『ボレロ』を見ていてむずむずしなかったのは踊ってるのが一人か二人だったから、もしくはその場でオープニングとかエンディングでちょいちょいっとBGMに使われてるだけだからだと初めて気付きました。

なんで、新しい振付師はベジャールでお願いしたいんですけど、残念ながら今彼にコリオを頼むとしたら、イタコを使わないといけないので、ここで伝説のディーン先生登場かなと。

あ、ベジャール・バレエ・ローザンヌの東京公演行きますよ!誰がメロディ担当する日なのかわからんですけど!

正味の話、北米系でもロシア系でもないヨーロッパ出身の振付師と組んだ仕事が見たいんです。
でも、意外と人材がそんないなかった。
思いついたのがミュリエル先生、カメレンゴ先生、ディーン先生くらいでした。全員アイスダンス中心だっつう。オーバスドルフのフス先生んとこのシニーツィンさんも気になりますけど、あそこは無理ぽいから。
ミュリエル先生やカメレンゴ先生は賢二先生のコネクションありそうだけど、T&Dとコネクションもってる人っているんだろうか。

あのねえ、最近きちんと音楽の文脈とか文体とか読んでみようか、とちょっと思ったんですけど、その視点で見るとベートーヴェンって面白いですねえ。そりゃ『運命』は名作だわ、と。ラヴェルに至ってはなんとかと紙一重ですよ。ようあんな単調なフレーズで10分持たせたなと。オーケストレーションによっぽど自信がないとできないよあんなの。白米のブレンド変えるだけでお茶碗にご飯よそって10杯飽きさせないで食べさせるようなもんですよ、ふりかけとかないの、白米の産地とか種類の配合を変えるだけで淡々とご飯出してるだけなの、あの曲はそういうおかしなことやってんのに成立してんの。
そういうおかしなことをやってるものは安売りしちゃいかんのです。安売りしちゃいかんから、しかるべきコリオグラファーがしかるべき音源としかるべき踊り手を選んでお披露目しなきゃいかんの。
そのしかるべき踊り手は幸いなことに日本にいるんですよ。メロディもリズムも一人で表現できる踊り手がいるんですよ。あのねえ、ベジャールの意思をふみにじらないような『ボレロ』を他ジャンルで見たいんです私は。

あと『4分33秒』とかでもいいよ。ルールで認められればだけど。
フィギュアスケート全く興味ない友達に何気なく「〜で4分30秒滑ってて」と言ったら「え!『4分33秒』をフィギュアスケートで使った選手がいるの?」と問われ、いやいやいや、と言いつつ、「でもそれで見たい選手は何人かいる」と付け足してたら、宮本賢二インタビューで「音楽無しで滑らせたい」発言あったんでびびりました。
そもそも『4分33秒』うんぬんの話はジェフリー・バトルというカナダの選手がグールドを使って滑っていたんだよ、と説明していた時の話で、バトルとか大ちゃんだったらみたいなあ、とぼんやり思ってそういうこといってたんで。
よく考えたらフリーって4分30秒プラスマイナス10秒なんだから、編集なしで使えるんだよね。勝てるかどうかはわからんけども。
バトルがシルヴィ・ギエムをリスペクトしているのも、すっごい納得したというか腑に落ちた。あーそれわかるー世界観通じるーって。
シルヴィ・ギエムベジャールを踊る

http://www.youtube.com/watch?v=V8d8tZp7fb0

これはすごい演奏だ!

http://www.youtube.com/watch?v=hUJagb7hL0E