強国であり続けるために

ヨーロッパ選手権と全米選手権かじりついて見てて思ったんですけど、私が好きなのは要は「愁い」があるスケーターなんだなあと。そして、もっと厳然と思ったのは、ISUの主要大会を開催することでのホームアドバンテージというのはアイスダンスを見ているとよくわかると。

ヨーロッパ選手権開催地がフィンランドヘルシンキであるから存続か廃止かの議論かまびすしい(でも廃止の方向に傾いてるんでしたっけ?)コンパルソリーダンスに今季新しく「フィンステップ」というものをねじ込んだんだなと。
ワールド開催地がアメリカ・ロサンゼルスであるからオリジナルダンスの課題が1920-40年代のリズム(いわゆるアメリカの『ジャズ・エイジ』『ロスト・ジェネレーション』の時代のダンス)なんだと。だからヨーロッパより北米ダンサーの方が曲想表現がハマってみえるんだなと。

そりゃ地元の選手に有利な面もあるけど、それよりその地元に住んでる観客受けがよいものを選ぶんだろう。興行的にも正しい。でも、コンパルソリーダンスをこの競技から減らすのは長い目で見ると興行的に正しいのかどうかはわからんです。コンパルソリー減らしたらアイスダンスアイスダンスじゃなくなってしまうもの。そんなことよりリフトの制限してほしいよ、あれスケーティングの流れ切って嫌なんだよ、リフトみたいならペアで見るよ。むしろフリーダンスがなくてもいいよ、私は。コンパルソリーダンスオリジナルダンスで充分だよ。正直けっこうフリーダンスで妙なモダンアレンジの音楽聴かされると飽きたりするんだよ。オリジナルダンスをフリーダンスと合わせて毎年の指定したリズム使ってフリーダンスくらいの要素入れりゃ充分じゃん(でも見ててヒヤヒヤするリフトはいらない)(頭を下にしてるの見ると競技に集中できないで心配してしまう)。

あと、メリルとチャーリーに接触する機会がある人はとにかくあの陣営に「来季は『ジゼル』でしょ?」とさも当然のように語りかけてください。今季の日本女子ジゼル祭り勃発の前からジゼルやるならメリルとチャーリーだろうと思ってました!メリルのリフト時の(この組のリフトは不自然じゃないから好き)あの浮遊感とチャーリーの疾走するバカ王子感を最大限に活かすのは『ジゼル』だろうと!カーチャの『ジゼル』振り付けたズエワが陣営にいるんだからそれ以外を五輪シーズンに持ってくるのは認めん。今季の『サムソンとデリラ』の怪力俊敏サムソンとたおやかデリラもよいけど、これは来季『ジゼル』への布石だと思ってます。

それにしても、昨季のフォーク・カントリーダンスを見返していてちょっと違和感があったのは、ヨーロッパ内のフォーク・カントリーダンスについてはやたら分類が厳しくて「なるほど『欧米』とひとくくりにしてはならんなあ、全然違うのだなあ」と感心していたのにアフリカンダンスになるともうめっちゃ大雑把なくくりのなんとなく「アフリカっぽい」でOKだったことで、アフリカだってヨーロッパ内と同程度かそれ以上に違いがあるわけですよね。ヨーロッパ各国の植民地になってしまったことで土着の文化とごっちゃになってるんだから。私はフィギュアスケートで世界の多様さを教わった部分もあるのだけど、そのフィギュアスケートの世界自体もまた歪んでいるのだなあということをこの1年くらいに起こった出来事を通して痛感しました。昨季にはそんな視点は私は持ち合わせていなかった。具体的に言うとオバマが有力な大統領候補ではなかった頃からアメリカ大統領になる過程の中で私達はアフリカについても少しは学んできたんだなあと思いました。ルーツがアフリカでアジア・ハワイで育って米本土に上陸っていうルートは思っていたより重要らしくて、太平洋越しに世界を見る感覚を持つアメリカのエリートってほとんどいないといっていい程らしいので、アジア人はもっとそこを評価するべきらしいです。

おまけ
最近、フィンランド(というか北欧)でだけ『銀牙 流れ星銀』のアニメが大人気、あそこらへんの子ども達は『銀牙 流れ星銀』を見て大きくなる、という話を聞いて、ああなるほど、北欧伝承と『銀牙 流れ星銀』の世界観って通じるところあるもんな、と思ったのと同時にあのフィンランドの美人スケーター達やあのスウェーデンのピアススケーター達も『銀牙 流れ星銀』で大きくなったのかと思ったらこれは日本のスケートファンとして『銀牙 流れ星銀』グッズで今度は歓待しなければならん!とむだに気合い入ってます。長野ワールドまで忘れないようにしよう。
続編の『銀牙伝説WEED』のwikipedia見たら
Gingapedia (銀牙ペディア, フィンランド語)という外部リンクがあった。
http://wiki.hopeanuoli.com/?title=Etusivu
どうやらフィンランドは本気だぜ!