スケーティング・オン・アイス余波

marginalism2009-08-26

ずっと何かを忘れていたような気がしていた。
FOIから帰ってきてからずっと。
いや、行く前からずっと。
そんでさっき思い出した。政見放送コンプどころかまだろくにエアチェックすらしてないっつうか全く予約録画とかそういうことに手を出していなかったと。あと3日で全部の政党と候補者の政見放送コンプは無理だと思い知り、いさぎよく諦めた。たまたま初日に候補者演説に出くわしてめいすいくんが家にやってきてテンションあがりきってそのまま忘れてた。政見放送コンプって泡沫政党と泡沫候補(あとタレント候補)を捕獲できなかったらかなりやる気そがれるんだよね……私、立川談志が出た時のとかいつか誰かYouTubeにアップしてくれないか、と今でも思ってるもん。野坂昭如立川談志が国会議員だったっていう時期の日本を体験したかった。あ、めいすいくんっていつの間にか人気ゆるキャラになってたんですね。その道にはうといので知りませんでした。

 要するに、女房は、おどかしたり、威張ったりする人が嫌いなのである。革命が起きて、彼女の買いこんだ、お気に入りの品物など、とられるようになってはたまらない、と思うのである。「公明党が天下を取ったら、威張りだすんじゃないかなあ。創価学会のスポーツ大会なんかみると、おっかなくなるなあ。公明党の代議士は、みんな同じような、つやつやした顔つきで、同じようなぺったりした髪型、同じようなしゃべり方をするのは気にくわない」と、気むずかしくいう。
 どの政党も、みんな気に入らないで、それでも選挙の当日には「棄権はしないぞ」と、投票に行き、自分の入れた候補者が当選したか、どうか、テレビをみつめている。今回は、市川房枝野坂昭如に投票したらしい。アラン・ドロンが日本で立候補したら、もしかすると、彼女は彼に投票するかもしれない。
武田泰淳鬼姫の散歩』より)

これふと目について何となく久しぶりに読んでて以上の引用部分で自分が何を忘れてたのかを思い出した。

目まいのする散歩 (中公文庫)

目まいのする散歩 (中公文庫)

武田泰淳の最後の本で、口述筆記が武田百合子なんで、力が抜けてるのだけど緊張感も漲っている独特な本。泰淳さんと百合子さんの個性が混じり合って面白いです。といっても私は武田泰淳をきちんと読んだことがないので武田泰淳の個性は推測だけども。

いつものことですが、私がただ面白くなるだけのために皆さん選挙いって投票率あげればいいと思います。でもスケートでいっぱいいっぱいで政見放送をチェックしきれなかった奴の願いなんかきいてらんねえよ、と言われたら返す言葉がありません。

それで、スケーティング・オン・アイスの話ですけど、いや、フレンズ・オン・アイスの話ですけど、何よりも気になるのが小塚崇彦の状態だ。彼は何かケガしちゃったりしてるんですか?一時的な体調不良とかたまたま靴を変えたばっかりでショーを迎えてしまったとかならいいんだけど、小塚崇彦比であんなにスケートが滑らないのを初めて見たのであまりにも心配すぎる。いや、並の選手ならあれだけできれば上出来なんだと思うんですよ、でも、小塚崇彦のスケーティングの音がしなかったんです。あと、彼のスケーティングスキルを語る上で欠かせないのが、リンクにおりて最初の一歩から力みなく淀みなくスーッと流れるところだと思うんですけど、今回オープニングに出るためにリンクにおりた時に上半身で勢いつけて滑りはじめたんだよね。ちょっと漕ぎ気味に。そんな姿見たことないから、どっか絶対おかしいんじゃないかってずっと思ってた。彼の足とスケート靴が喧嘩してた。新プロがどうとかより、足下の滑らなさがずっと際立って気になってしょうがなかった。佐藤有香さんのスケートに今回だけで比べると高橋大輔の方が近かったのが衝撃的だった。スケーティング巧者が集まっていた中でプロってすげえな、今までほんともうプロに対して勝手なこといってすんません、と反省しきりの中、アマチュアカテゴリーでそこに張り合ってたのが高橋大輔だけだったのが気になった。普段なら小塚崇彦は見劣りしないはずなんだけど、でも、今回に限ってはやけにつっかかってたんだよなあ。

以下箇条書き
・チャンピオンプログラムで既に滂沱の涙。『I got rhyzm』好きだからってのもあるけど、結果を出すって重要なんだな。今回の出場メンバーで意外とあの人やあの人はいないんだなと感じたことって私たち以上に本人が感じるんだろうから、こういうものに出られる出られないって大きいんだと思う。でもそういうことあんまり感じないでただ泣いてた。チャンピオンになった責任ってのを背負ってる人達がそのプライドを誇らしく楽しげに掲げてますってのがよかった。私ガーシュインが好きだ。そしてスケートが好きだ。
ガーシュインが好きだから土曜日でよかった。ライサチェクの曲が『ラプソディー・イン・ブルー』だけだったのでびっくりした。あれ、編集しなおしたでしょう、フリーの時に妙ちきりんに挿入された『ピアノ協奏曲ヘ調』の部分抜いたよね?全部ラプソじゃんか、ってびっくりしたんだけど私聞き間違えてたかね?
・振付師とスケーターが同じショーでパフォーマンスするってこういうことなのか、と鈴木明子とシェイ=リン・ボーンを見て思ったよ。二人で滑ればいいのにって。あとやや脱水症状気味でもうろうとしながらひたすら練習していた高1の夏を思い出して(その年の自由曲がこの曲でした、アレンジも同じような部分使ってた)ここでもボロボロ泣いてた。先輩達の差し入れのアイスおいしゅうございました。私、高1の時に猛練習したから右手では指パッチンできるようになったんだよ、これ豆知識な。あと1年集められてマラカス振らされたときに振り方がおかしいって大笑いされたのがなんか妙に鮮やかな記憶で残ってます。というか、3階席から見てたのも大泣きの原因なんだと思う、ホール練習の時に録画録音係やってたから、ちょうどああいう場所で舞台の上にいる先輩達を必死に見ていたから。あっこちゃんのウエストサイドストーリー見て客席で指パッチンしてる人がいてもきっとその人は無意識にやってると思うので、迷惑だと思ったらその場でいってくださればすぐやめます。萎縮しきるけど。
・シェイ=リン・ボーン、同い年か……大人の色気って何かね?嫌味にならない色気って何かね?こんなに魅せるのうまい人だったっけか?『リバーダンス』で止まってたな、記憶。あれが一番好きなプログラムだったけど、プロになってあの頃より確実に魅せるのうまくなってるって、プロすげえなって。シェイ=リンが離れてからニコライさんとこのプログラムから急激に小粋成分が失われて、それでシェイ=リンさんが作ったり滑ったりしてるの見てるとものすごく納得したよね。ニコライさんとシェイ=リンさんの共作ってほんと奇跡だったよね。その組み合わせのタイミングで五輪金とってる荒川さんってやっぱ「持ってる人」だよなあと思った。
田村岳斗先生がかっとばした球が照明装置にぶちあたってすぐそこに転がったのですが、素早く回収に走った人がいて「スタッフさんお疲れ様です」と思ったらスタッフじゃなくてファンの人だった。すぐ席に戻ってた、でもあまりにも素早くて危険物回収・照明確認スタッフさんなんだと思ってしまった。そういえばボールになんか書いてあったなー、と。
・あの荒川静香がフラメンコだと……?「カルメンだけはやめろ!やめろ!」とコーチからもファンからも言われまくったあの荒川静香が確かにフラメンコを踊っておる……しかも様になっている……この人どこまで伸びしろあったんだよ、なんでアマチュアの時にそれをやらなかった、っていうのはもう愚問なんだな、プロにならないとこの人こういうのできなかったんだよ、それで今それを見れてるんだからもうそのことだけでいいじゃないかって。
・カート・ブラウニングも実はそれに近かったりしますよね、アマチュアの頃、彼がここまで光り輝くとは思いませんでしたよね。私は彼のアマチュア時代もゆるくスケート見てるはずなんだけど全く覚えてないもの。何よりも彼を日本で待ち続けたカートファンの皆さんにおめでとうございます、と言いたくなった。彼のファンが出したひまわりの花輪が一番あの日出されていた花輪の中でポカポカしてました。
・村元さっちゃんの曲ってキルビルの他にマラゲーニャでおk?誰かマラゲーニャを使っていたような気がするのだが、それが誰だか覚えておらん。
・ベルビンに色気を感じる日がくるとはな……まだ名古屋で買ったとかいうサプリの効果はでていないのにな……色気ってまあそういうとこだけじゃないよね、わかってる、うん、わかってる。あんな買い物報告twitterに書いて元カレ(現在アゼルバイジャン国籍持ち)に大笑いされてるベルビンがこんなに色気があるとはな……
本田武史のあの滑りも競技じゃ絶対出せなかっただろうな、今の彼だから滑れるんだろうな、ずっと一人でトップはってた人の地力を見た気がする。
・大ちゃんは、なんつうの?その年初めて雪がつもった日を思い出した。夜中に窓を開けてちょっと屋根につもった雪をそっと手ですくったときの感触を思い出した。新雪をさわるときの感触って毎年特別だった。東京の雪ではああいう感触にならないなあって思って。北国の冬の夜中の凍った柔らかい空気感を知っていることは財産だなあと思った。初雪も特別だけど初めて雪がつもる日はまた違って特別だったんだ。初雪はただ散っていくだけだから、でもつもり始めたら本格的に冬が始まるから、だからあの雪の感触は宝物なんだ。内地の雪とは全く質が違うんだ。子供の頃は雪だるまが全然作れなくて、内地の祖父母や親戚の家のあたりの雪だとほんとに転がすだけで面白いほど大きく雪がふくれあがっていくのが楽しくてうらやましかったけど、私の質感はやっぱりあの初めてつもった日の新雪だなあって確認できた。そして、東京でそれを感じるのは夜中に見る満開のソメイヨシノ。何年前だったか地元が一緒の人たちと東京で夜に満開のソメイヨシノを見て、一瞬その枝に咲いている花が降り積もってる雪に見えて混乱したことがあった。雪だか桜だかわからない白くぼんやりしたものが静かにそこにある風景、そしてそれが風になでられてふわっと動く風景っていうのもまた彼が滑ってるのを見て思い出した。あとあの滑りの質はメレンゲっぽい。焼いてないメレンゲ、たくさん空気含んでて口にいれたらふわっと溶けるメレンゲ。今までの彼の滑りは生クリームというかもうむしろバタークリームに近いくらいな感じだったと思うんだけど、今はメレンゲだなあ。
・でもとにかく会場が寒かったです。私はものすごい汗っかきなので人一倍寒くなります。さっきまでかいてた汗が今度は冷えてどんどん熱を奪って行く。会場の向かい側の方に夏物かな、白っぽい着物を着たご婦人がいて、いいなあ、着物だとあったかいよなあ、見た目は涼しいけどあれ夏あったかいよなあ、今この会場で着物最高だよなあ、いいなあ、今度私も着物きてこよう、と意識を失いかけながらぼんやり思ってた。そのご婦人が誰だかなんてその時は知る由もありませんでした。
・着物だけはシェイ=リンよりもベルビンよりも似合う自信がある。本気で着付けを習いたい、俺、和装でこそ本領発揮できると思うんだ。自分で着れないのに自信たっぷりにいうのもなんだけどさ。
・FOI行く数日前から唐突にビールが飲みたくなり、FOI終わったあと強引に酒場に連れてけと案内させて家の近くの友人行きつけの酒場でビールをコップに半分も飲みました。酔っぱらいって楽しいな!でもなんであれだけビール飲みたがったんだろうなあ。普段アルコールはもちろん下戸だから求めないし(下戸の私が水をとりつつでもコップ半分もビール飲んで楽しくなってたのは奇跡に近い)、炭酸もあんまり取る気がしないし体調の関係もあってできるだけ避けてたんだけど、あの数日間ののどの渇きは異常だったしビールじゃないと嫌だった。しかも酒場に行くだけで二日酔いの私が次の日頭痛くならなかった。なんだったんだあれ。

キリンフリー 350ML×24本

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でもやっぱり下戸だから今度ビール飲みたくなったらきちんとこっちにしようと思います。なぜなら今、体が季節の変わり目をうまく乗り切れてない予感がビシバシきてるからです。もちろんその日のビールのせいとかじゃなくて、もし今度飲みたくなって調子にのって飲んでみてもこんな体調の時にあんなにちょうどよくうまく酔えるはずがないときちんと認識しておきたいからです。