ヒロシマ樽募金気分

読んだ当初は思ったほどすごくないと思ったんですけども、数日経って今頃じわじわきとります。


夕凪の街桜の国

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赤い文化住宅の初子

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あら、初子ちゃんは画像がない。

広島には行ったことがありませんが、修学旅行で長崎には行きました。私が一番修学旅行で覚えていることは長崎の空港からハウステンボスまで向かうバスの車窓からみた風景が遠藤周作の『沈黙』の世界だ!とうち震えたことです。あと、何年か前に夜中のドキュメンタリー番組をみて長崎の女の子が戦争反対だかなんだかの平和運動をしていたのですけど、長崎の人は冷たくて、その子が広島にイベントで行ったら広島の人は話を聞いてくれる、と泣き崩れたことが印象に残っていて、ああ長崎と広島の間にも温度差はあるんだなあとどっちも遠い所にいる私は思った。私の田舎も原爆を落とす候補地にはあがっていたらしいけど、結果落とされなかったのでやっぱり遠い話ではある。

赤い文化住宅の初子』は、連載を読んでいた時ちょうど私は初子ちゃんのような境遇で、かくまってくれていた友達の家に転がっていた雑誌を読みながらぼそっと「初子ちゃんは幸せになれるかな」と呟いたら友達の顔がみるみる凍り付き全身全霊で後ずさりしていたことは覚えている。初子ちゃんのような境遇ってなかなかなろうと思ってもなれないよね、今ならそう思う。不用意な発言をしたと今は反省している。私が友達に言われたくない一言リストの中にしっかり今は書き込んでおります。