祈り、光。生きるということ

2月20日の昼下がり、あえてのんびりと構えるようにして「岡崎京子展」に行きました。 のんびり構えるようにしていたけど、世田谷文学館への道筋に『リバーズ・エッジ』のあの二人が描かれているポスターがいっぱい、町内掲示板や何の変哲もない普段は選挙ポ…

SO WHAT?

雨上がりの急激に気温が上がり風が強くなった金曜日、今年も私と花粉症との戦いの幕が切って落とされ、その翌日に花粉症あともう少し発症遅れたらよかったのに…と思いつつ、KAATまで足を運びました。いつも日本大通りで降りてたんだけど、乗り間違えて元町・…

a fest year

2014年は4年に一度の冬季五輪とサッカーW杯がある年だからそれだけで忙しいのにいちいちその合間に選挙ぶっ込まれた挙げ句12月に衆院選という日本最大のまつりがやってきたので他のことやる余裕がなかったような気がしますが、手帳とiPhoneを元に振り返って…

うごくおん◯/It's gonna fine

師走のバスに揺られて途中にオペラシティ前を通り、そういえば『ドラミング』を聴きにここに来たのも年の瀬だったかな、など思い出しつつ少し気になっていたホールに足を運びました。第2回 アート×アート×アート<音楽×ダンス×写真> TETRAHEDRON | テトラヘ…

Where is my “Huis clos“?

どうしても中村恩恵のダンスを生で観たくてたまらなくなっていたので『DEDICATED 2014 OTHERS』を10/24のソワレで観に行きました。サルトルの『出口なし』が演目に入っていたのもあって。http://www.kaat.jp/d/dedicated_others 前半の「ジキル&ハイド」は…

線引き

先週のフレンズ・オン・アイス2014の1部放送見たら、やっぱり気持ち悪くなって、私はここに行かなくてよかったなと思った。以下、米原万里が狐たちの「アウシュビッツ」、毛皮獣の養殖場に身を置くはめになった時のことを書いた文章。 一メートル立方の高床…

モデルとの距離

ブラジルワールドカップはロッベン中心で見るぞ!とオランダの下馬評に震えつつも決めてたらとても楽しい大会になった。2010年南ア大会って1次リーグで日本とオランダ同じグループだったけど、日本戦にロッベン出てなかったから誰も覚えちゃいなかったのが悔…

今だけの果実

Noismの「カルメン」KAAT初日で観てきて、もうすっごく面白かったので、21(土)22(日)の神奈川芸術劇場公演や27(金)の兵庫県立芸術文化センター公演、都合つく人はなんとか行った方がいいです! http://www.noism.jp/schedule/2014/06/ 当日券は出ると思うか…

カイとゲルダ、小さな子供としてのわたしたち。

宮崎駿の映画作品が子供の頃からずっと嫌いでした。自分の理想の少女像を押し付けないでくれ、とずっと拒み続けていました。私はこの人の作品に洗脳されず好きなように生きよう、と思ってきました。 もう少し詳しく説明しますと、宮崎駿の描く少女を能動的だ…

私を/私が/隔てるもの

言葉が怖くなった。言葉の暴力性が剥き出しになった瞬間に、それから逃れられない運命が怖くなった。 ピナ・バウシュの『コンタクトホーフ』で、女性が男性に体をまさぐられ嫌がるシークエンスがある。その時、白人女性ダンサーが叫んだ“Stop!”と日本人女性…

and go on

今季のジェレミー・アボットのプログラムはSPよりむしろFSの方がピナ・バウシュの静謐な緊張感を湛えた世界観に近かったように思います。というわけで、3月のさいたまに足を運んでワールドではなくピナ・バウシュ振付ヴッパタール舞踊団公演『コンタクトホー…

It's a time

高橋大輔の今季のプログラムは、SPは『私の好きなフィギュアスケーター・高橋大輔』の、FSはオフリンクも含めた『私の好きな人間・高橋大輔』の集大成だと初見の時に思った。これ2本とも完成形が観れたらそれだけで私は幸せだと願っていたら、大会は違えど、…

束縛/解放

金森穣の踊りをやっと観ることができた。1/24のNoism1『PLAY 2 PLAY -干渉する次元』KAAT公演、ぎりぎりまで悩んでいたのですがなんとか横浜まで足を運べて良かったです。最初に出てきた時は、井関佐和子と生き別れの双子のようなものなのかと思った、が、違…

船出

今年の全日本選手権での安藤美姫の「マイウェイ」は、リレハンメル五輪でのカタリナ・ヴィットの「花はどこへ行った」に並ぶ素晴らしいものでした。目の前の試合だけではない膨大な勝負、それに対する挑戦、その芯にあるシンプルなメッセージに心打たれまし…

Do you remember?

腱鞘炎やなんやでほとんど何も書かずにいた今年、私は何をやっていたんだろう?とここに書いておかないと忘れてしまうような気がするので手帳を見つつ備忘録として。 1月:仕事の合間に本を売るための営業や相談をしつつ、電子レンジが壊れてひもじくなって…

喝采

「へー、岡崎京子好きなんだ?何が一番好き?」「東京ガールズブラボー!あ、でも、まだ単行本になってないけどチワワちゃんって短編もすっごくいいよ!」というような会話を学生映画撮影の合間に交わしていた人の訃報をテレビニュースで知った。 私の通って…

Zを超えて

unit-Cyanの『シアンの家』観に行きたくてとにかくいろんなこと片付けて旅に出ようかと思ってたけど間に合わなかったから、せめて公演前に後回しにしていたNoism1『ZAZA〜祈りと欲望の間に』を見て感じたことなど書きます。私が観に行ったのは7/20の静岡SPAC…

スケジュールメモ

6/1AOI、6/8-10苫小牧・札幌、6/23都議選、7/1安藤美姫公表、7/14,15青森、7/20静岡Noism1ZAZA、7/21参院選プーシキン 花 http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/M/Medtner/S3597.htm#%89%D4 (押し花。一緒) http://homepage2.nifty…

「若くない」ということ

『あまちゃん』を見ていて、かつての自分はユイちゃん(橋本愛)みたいだったなあといつの間にかアキちゃんユイちゃんを目を細めてみる美寿々さん(美保純)視点を獲得していて、私は母親じゃないから春子(小泉今日子)視点は獲得できないんだよね、でも、…

五輪とは何か

覚えていますか、北京五輪の会期中にロシアとグルジアの間で戦争があったことを。2014年冬季五輪開催予定地のすぐ近くで、2008年夏季五輪開催中に戦争があったことを。 五輪とは何でしょう。五輪におけるフィギュアスケートとは何でしょう。私にとってそれは…

自分の軸について

ここ数ヶ月、そんなことを考えながらいろいろ読んだり作ったり書いたりしました。銀座にあるヴァニラ画廊さんには大変お世話になっております。そんな日々です。 ヴァニラ画廊さんのHP内のヴァニラ画報に書いたものをちょくちょく載せていただいております。…

等しく陳腐に

ひょんなきっかけから日曜日、麻草さん(id:screammachine)の出演する演劇『ムチムチニョロニョロ』を観に行ってきました。 http://adsl.visualshoxx.net/ http://ameblo.jp/muchi2nyoro2/ とにかくまあ人が死ぬ。テンポよく人が死ぬし殺したり殺されたりし…

もっと高くもっと深く

12/25のクリスマス当日、横浜までNoismダブルビル公演『solo for 2』『中国の不思議な役人』を観に行きました。 http://www.noism.jp/news/2012/12/noism1nois-2solo-for-2.html 『solo for 2』は徹底的に身体を、『中国の不思議な役人』は徹底的に音楽を感…

冬コミ委託頒布します。

冬コミ委託頒布決まりました冬コミ3日目(12/31月曜)夜のLINKFACTORY様(http://www.linkfactory.jp/)のブース に『MILLE-FILLES』委託させてもらえることになりました。場所は東パ60a です。年末のお忙しい中とは思いますが、お手に取ってもらえたら嬉し…

記録と記憶

NHK杯のためにセキスイハイムスーパーアリーナに張った氷をフリーを滑り終わった羽生結弦が撫でた時、「そうだ、ここは去年の晩冬から春にかけて遺体安置所とされていた場所だった」と思い出した。氷の下には遺体が並んでいたのだ。日本の報道では遺体安置所…

11/18(日)文学フリマ出展します

なんとか出版の目処がつきましたので告知します。 11/18(日)の文学フリマ(http://bunfree.net/)に2冊出します。ブースはウ-33です。会場は東京流通センター 第二展示場、開催時間は11:00〜17:00です。私も売り子としてブースにいると思いますので、皆様お…

二度と戻らない美しい日にいると

本当は分かってる。電車の中に置き忘れた日傘などJR東日本に問い合わせれば見つかることなんて。特徴的な部分がある傘だったから、探すのだって難しいことではないだろう。でも、何か、思い出が欲しかった。何年も一緒に歩き、私の皮膚を日光湿疹から守って…

若者と臆病さ

以前、とある場所でとある若者の振る舞いに対して英語圏の女性記者が「Poor Youngness」と一言でその行動を切り捨てた場面に遭遇したことがあります。日本語にしたら「青臭い」とかそういうニュアンスで言ってるのかな、と周囲の喧噪をよそに、即座にそう言…

哀しみを汚される哀しみ

ワールド前にやっぱり見ておかなければならないと、ヴェンダース作品、3D、邦題のダサさという壁を乗り越えてなんとか『Pina』鑑賞のために映画館に行きました。 http://pina.gaga.ne.jp/ (音出ます) 基本線のノリとしては『東京画』と変わらないです。ヴ…

音楽はわが魂に及び

先週の土曜日にめったに見ないような民放のBSの番組表チェックをしていたら、小澤征爾と正月に後半だけ見てとても面白かったカルテットの特集に出ていたチェロの男の子の番組をやってる途中で、ああ最初見逃しちゃったなとチャンネル変えたら、いきなり音楽…